罪のある、花

嫌いな物を肯定されるほど苦しいものは無いんですよ

この言葉の意味を、心の底から理解できるというのなら
一人ひとりが持つ本当の孤独を
きちんと、正面から噛み締めて生きているということだろう。

花に罪はありませんから

いわゆる都合の良い方便として
よく聞いた言葉だ。

たとえ嫌いな相手からの贈り物であろうとも
花は美しいし、無下にするものではあるまい。

何より、花は生き物でもある
徒に散らせるものではないというなら、そのとおりだ

どんなに醜い魂胆が透けて見えようとも
美しい見た目をしていればその女に触れずにいられないのが
男という生き物の性らしい

花とは、そういうものでもあるのだろう。

叩きつけられた色を、救いと受け取る心に寄り添う読み手の「こころ」が
問われている、そんな細い刃のような、物語