罪のある、花
- ★★★ Excellent!!!
嫌いな物を肯定されるほど苦しいものは無いんですよ
この言葉の意味を、心の底から理解できるというのなら
一人ひとりが持つ本当の孤独を
きちんと、正面から噛み締めて生きているということだろう。
花に罪はありませんから
いわゆる都合の良い方便として
よく聞いた言葉だ。
たとえ嫌いな相手からの贈り物であろうとも
花は美しいし、無下にするものではあるまい。
何より、花は生き物でもある
徒に散らせるものではないというなら、そのとおりだ
どんなに醜い魂胆が透けて見えようとも
美しい見た目をしていればその女に触れずにいられないのが
男という生き物の性らしい
花とは、そういうものでもあるのだろう。
叩きつけられた色を、救いと受け取る心に寄り添う読み手の「こころ」が
問われている、そんな細い刃のような、物語