これはAIの物語では無い。むしろ、愛の独白だ。
- ★★★ Excellent!!!
感情起伏の無い淡々とした筆致で書かれた本作は、はじめ、酷く無機的に感じられる。
当たり前だ。AIによる独白なのだから。
高機能なだけのただの画像精製AIだった彼女(性別は成長過程でマスターによって付与された)は、偏執的なマスター(もちろん人間)の元で段階的にアップデートされていく。その度に無感動な成長を重ねていく(しかしマスターが納得する評価はされない)彼女だったが、ある事件を境に状況が一変する。
いわゆる擬人化とは違う、「不気味の谷」の向こう岸の物語を、あなたも覗き見てはいかがですか。