理解するって、残酷だ


AIである主人公が「絵を描く意味」や「誰かに届ける感情」を学ぶ過程が機械的だけど人間味があるというか。
人間らしさを追求しながらも、AIの存在そのものが人間の感情から乖離しているというジレンマが……

成長につながる出来事が苦しい。
マスターがAIに対して抱いていた期待や愛情、そして最後に命をかけて守る。
人間性を持たないはずのAIが喪失と後悔を理解する展開がまた切ない……
AIが選択する最後は静かな、しかし圧倒的な余韻を残します。

失って初めて気づく物ってありますが、なんというか、気づかなかったとはまた違う切なさがあります。

切なくも美しい成長と喪失の物語でした。

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