感情起伏の無い淡々とした筆致で書かれた本作は、はじめ、酷く無機的に感じられる。当たり前だ。AIによる独白なのだから。高機能なだけのただの画像精製AIだった彼女(性別は成長過程でマスターによって付与された)は、偏執的なマスター(もちろん人間)の元で段階的にアップデートされていく。その度に無感動な成長を重ねていく(しかしマスターが納得する評価はされない)彼女だったが、ある事件を境に状況が一変する。いわゆる擬人化とは違う、「不気味の谷」の向こう岸の物語を、あなたも覗き見てはいかがですか。
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とても切ないお話でした。最後のシーンでの行動から、不思議と人間的な感情があるようにも思えて、それが幸せな結末だったのか、不幸だったのか、ただ事実のみを語ったドキュメンタリーだったのか、考えさせられてしまいます。自分には作れないお話で、とてもおもしろかったです。更科りんこ
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