百物語

紫閻-sien-

「さぁ リスナーさんから募集した怖い話 コレで99話読み終わりました」

「 残り1話 100話目は 私の話になります」


百物語のライブ配信 今までの話はどれも秀逸な話で


ラストの話は配信者の話 みんなの期待が高まる


《どんな話だろうな》 《大丈夫か?》 《かなりハードル上がってるぞ》

《ドキドキしてきた》


様々なコメントが流れてくる その中で 配信者は意を決したように話し出した


「100話目の話 先日 心霊スポットに行きましてそれが山の中にある廃墟で

裏の井戸から夜になると赤ん坊の声が聞こえるという・・・」


《なんだよ よくある話のパターンか》 《期待したのに残念》

《もっと怖い話ないの?》


話の途中だというのに辛辣なコメントがどんどん流れてくる


構わず話し出す配信者


「その井戸まで近づいたところで本当に赤ん坊の声が聞こえたんです

どうなってるんだ そう思い覗いた その時」


《どうせ赤ん坊が糸から飛び出してきたとか、よくあるオチだろ?》

《期待したのに》


相変わらず辛辣なコメントが画面に流れ続けている


「誰かに背中を押され 落ちたんですよ 井戸に」


その言葉にあんなに流れてたコメントがピタリと止んだ


「頭から落ちたから首が変な方向に曲がってね

で 人が来ないから まだ僕は井戸の中にいるんです」


そう言いロウソクを吹き消す配信者


そこで映像が切れライブ配信が終わる





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

百物語 紫閻-sien- @sien702

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ