ミシン

紫閻-sien-

とある廃村にあるいわく付きの廃屋

その廃屋に来た二人の男が何かを探しにやってきた


一通り部屋を見て回るが それらしきものはない

残りはあと一部屋 噂は本当なのか・・・

半信半疑になっていると まだ確認してない部屋からカタカタと物音がする


Aが引き戸をソーッと開け覗いてみると

ミシンを使って、何かを作ってる老婆の姿が見える


A 「ヤバイよ人がいた」 小さな声でBに囁く


B 「そんなわけないだろ」


Bも部屋を覗くとAと同じ光景を目にする


B 「ヒッ」 小さな悲鳴を上げるB


ミシンの音が止む どうやら気づかれてしまったようだ


それまで作業してた老婆が手を止め ゆっくりとBの方を向き手招きをする


何かに操られるように部屋に入るB

Aは それを止めようとしたが体が動かない


Bが部屋に入ったと同時にドアが閉まる


「お待ちしてましたよ、例の物が仕上がりました」


そう言い老婆が見せたのは白い着物


「これは あなた様の死装束 今からコチラに着替えていただきます」


そこで我に返るB ドアを開けようとするが開かない

必死に助けを求めドアを叩く


外からAもドアを開けようとするがやはり開かない


「さぁ遠慮なさらずに・・・」


Bのすぐ横にまで来た老婆がBの肩に手を置きニヤリと笑う


Bの悲痛な叫びが部屋から聞こえてくる

と同時に あれほど開かなかったドアが静かにゆっくりと開く


そこにBの姿はなく老婆が静かに佇んでいる


老婆はAに近づき 「貴方様の死装束もご用意してますよ」


そう言い終わった時、ドアが静かにゆっくりと閉まる


数秒後 今度はAの悲痛の叫びが、部屋に響き渡る




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ミシン 紫閻-sien- @sien702

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