暗闇の中で晒し首、三つ。不揃いに嗤う

夜に、自転車で畑の側の道を通る。
台の上には西瓜が三つ。忘れ去られた様に
置かれている。売っているのか、それとも
忘れられてしまったのか。
ここら辺では西瓜を作る事はない。

よくよく見ると、それは『ふくべ』だ。

薄く削いだ干瓢、乾燥させて魔除の面を
作る、それ が。闇の中に現れた夕顔の
蒼白い実が、こっちを見て嗤っている。
三つ目の鬼の首が三つ。
暗闇の中で、いつまでも嗤っている。


それは『   』だ。

切られて晒された、それ は。