赤服のサンタクロース
暗黒神ゼブラ
赤服のサンタクロース
俺は一応サンタの仕事をしている
贈り物を届ける。
まあ贈り物と言ってもいろいろあるがな……そうだな、最近は届けた贈り物は死体とかだな。
死体というのはマネキンとかじゃなく本物の人間の死体だ。
俺が届ける物は大体が世間一般で言うところの『悪い物』だ。
それで今の俺の悩みは制服のこの血が落ちないことだもともとは白かったんだが今は真っ赤になって……これぞサンタクロースだなぁというふうな服になってしまった。
しかし俺には子供たちに夢と希望を与えることは出来ない……俺が最初にサンタクロースになった理由は夢と希望を与えたかったからなんだけど結局のところ俺がなったのはどこからどう見てもサンタクロースのコスプレをした殺し屋……あ〜あ、もっと早く騙されたことに気づいとけばな。
そしてその殺した相手の死体をくじで選んだ人の家に届ける……俺からしたら届けるじゃなくて捨てるみたいなものとしか思えないんだよなぁ。
でも子供が喜んでくれたこともあったから、なんとも言えないんだがな。
というか今思えばあの子供おかしくないか?
自分の家の前に知らない人間の死体があるのにどうしてそんな満面の笑みで飛び跳ねるぐらい喜べるんだ……これがサイコパスってやつなのか?
でも子供に笑顔を届けるって夢は叶えられ……たのか?
どうするか……この仕事やめて本当のサンタクロースになろうか……確かフィンランドにサンタ教会というものがあったはず……でも人を殺してきた俺が夢と希望を届けるサンタになっていいのだろうか
その時俺は昔の母さんの言葉を思い出した
『ねえ望夢(のぞむ)この世界は誰にでも幸せになってもいいのよ。夢を叶えたりするのは遅いことなんてないの。これから先なにかやりたいことが見つかったらとにかくチャレンジしてみなさい……分かった? これが母さんとの最後の約束ね』
というものだ。
母さん見てくれてる?
こんなことしてる俺のことを母さんがどう思うかわからないけど……俺、子供たちに夢と希望を与えるって夢を今からでも叶えようと思うんだ……見ててね。
次会ったときにたくさん話せるようにするから、期待してて!!
そして俺はサンタ教会の日本人の公式サンタの二人目となった。
その時改めて思った
やっぱり夢を叶えるのに遅すぎることはない
失敗をしても、あとから笑い話にすればいいしな。
おしまい
赤服のサンタクロース 暗黒神ゼブラ @ayumu20
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます