物語のない140字作品集 3

スエテナター

第1話 夏と秋

夕暮れに、風鈴が鳴る。大きな山の影が集落を覆う。大きく育った稲の穂は、しなやかに垂れて秋を待つ。元気いっぱいの子供らは、夏が終わる寂しさを感じる間もなく今日も探検から帰る。明日はどこへ探検に行こうか。夏はまだこの町に残っている。秋の気配は、人知れずかくれんぼうをしているけれども。

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