第9話 儚い時間

夏から秋へと季節は変わり、秋から冬へと星座は巡る。赤い夕焼けは紫色の光を残し、糸を引くようにゆっくりと夜を連れてくる。あたたかかった風は冷たくなる。君の声がはっきり聞こえる。肩を並べて帰る道、暗いけれども星が見える。季節と季節の間、子供と大人の間。宵の空気は儚い時間を閉じ込める。

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