トラック9:魅了魔法(?)、あたしは『あなた』のことを好きになりました 【ひざまくら、告白】
(時間場所:22時くらい。前トラックから続けて同じ場所。『あなた』はひざまくらされた状態)
(位置:正面、近い)
(やさしい声で)
あ、起きた。
時間はちょうどいいよ。
寝起きって大変だから、
このままあたしのひざまくらにいてほしい……。
(10秒ほど少し乱れた息づかい。心の準備をしている)
(恐る恐るな声で)
今から少しだけ、あなたの時間をあたしにもらえる?
うん、寝る前にお願いしたこと。
すぅ~~~。(深く息を吸う)
はぁ~~~。(大げさに息を吐く)
(まじめな声で)
よし。
(恐る恐るな声で)
あたしの特別な魔法を使いたいんだけど、いいかい?
(照れ隠しするようにはしゃいだ声で)
いっひひひ♡ ありがとぉ♡
でも二つ返事しちゃっていいのかい?
魔法でなにをするか、あたし言ってないんだけど。
(うっとりした声で)
信用してくれるんだぁ……♡
あ、ひざまくらのままでいて。
あたしってば、あなたをひざまくらに乗せながら
魔法を使うのになれちゃったからさ……。
多分、この状態が一番『特別な魔法』を使いやすい。
(照れた声で)
テンションが不安定?
まあ、『特別な魔法』を使うので、
緊張のひとつやふたつは仕方がない……ね?
(照れ隠しするように凛とした声で)
説明をします。
魔法使いモードでは、
この『特別な魔法』が使えません。
なので今からあたしは陰キャの喋り方をします。
キャラがぶれたりしません。
(色っぽい声で、照れあり)
そしてこの『特別な魔法』とは……魅了魔法です。
(照れた声で)
かんたんに言うと……、
あなたがあたしを好きになる魔法です。
こんなのもう魔法でもなんでもありません。
告白です、告白!
魔法にしないとあたしは告白も耳かきもできないんです。
信じてほしいです。
(位置:正面、至近)
(愛情のこもった声で、照れあり)
あたしはあなたのことを好きになりました。
陰キャで、ありもしない魔法に頼って、
『現代魔法使いの耳かき屋さん』を開いて、
どう考えても怪しいお店なのに、
あなたは常連さんになってくれました。
えらそうな魔法使いの口調じゃないと接客もできない、
そんなあたしを信頼してくれた。
耳かきさせてくれて、
悩み事を話してくれたのがうれしかったです。
あたしはうつむきがちで、
魔法がないとあなたを見ることができない。
けどあなたは、あたしのことをまっすぐ見てくれる。
(恐る恐るな声で)
耳かき屋の店員とお客さんではなく、
あたしはあなたと……恋人になりたいです。
この魔法にかかってもらえますか?
現代魔法使いの(?)耳かき屋さん 雨竜三斗 @ryu3to
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます