第5話ばあちゃん逝く
僕が28歳の時だった。
仕事中に実家から電話があった。ばあちゃんが、亡くなったと。
僕はびっくりして、翌朝飛行機で鹿児島に戻る。
葬式でばあちゃんの大往生を偲んだ。
98歳だった。
皆んなで、焼酎を飲んだ。
最後に出棺の時、お供え物の花をいっぱい棺桶に入れた。
親戚が、
「ばぁちゃ〜ん」
と、言って顔に頬を当てる姿を見ると涙が出そうになった。周りは泣いている。
それから、また飲み会。
大往生だったので、叔父さんたちが笑わす。
ばあちゃんとは、大学進学が決まり、翌朝東京に向かう前の晩に会った。
写真も撮っている。
それから、9年後に亡くなったのだ。
ばあちゃんはいつも、優しかった。そして、叔母さんも優しかった。
その叔母さんも去年すい臓ガンで亡くなった。
親戚は皆んな80代なので、亡くなると寂しくなる。
ばあちゃんの事を思い出す時がある。
品の良いばあちゃんだった。
60代までは、着物を着ていたようで、写真が有る。
人を楽しませたり、笑わせたりするのは、母方の血筋。
弟はおでこが広がったが、僕の髪はフサフサだ。
これは、突然変異なのか?45歳になってもフサフサなのは僕しかいない。
ばあちゃんの血筋だろう。
これが、僕とばあちゃんの物語でした。
終
最後にこの作品は、緋雪さんからのリクエストで、ここまで書けた事に感謝します。
羽弦トリス
ほのぼの物語 羽弦トリス @September-0919
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