カメラの中身
女神なウサギ
第1話 カメラ
僕は誰もいない教室で友人からもらったカメラを眺めていた。このカメラには閲覧してはならない動画が収められているという噂がある。よくあるガセネタだろうけど好奇心が抑えられなかった。自宅に帰ってから見ればこそこそしなくて良いのだろうけど、学校で見るほうが背徳感があって良い。
そんなことを思いながら再生ボタンを押した。
どうやら動画配信サイトの映像らしい
「皆さんこんばんは~〇〇です、今日はこの廃墟の調査をしたいと思います」
暗い廃墟を懐中電灯で照らしながら奥へと進んでいく。
「うーん、ただの廃墟だな。病院でもないしこの動画は没かなー痛っ」
何かに足をぶつけた。照らしてみると机だった。ノートが開いた状態で一冊置かれている。
「えー皆さん、ノートが置いてあります!読んでみたいと思います」
「〇月☓日△曜日。私が間違えていた」
「どうやら日記ですね」
「〇月☓日△曜日。私ならあの男を治せると思っていたが無理なようだ。私はもう長くは持たないだろう」
「日記が続いているという事はここをねぐらにしていた人がいるようですね。もう少し読んでみたいと思います」
「〇月☓日△曜日。あの男にここをねぐらにしていることがバレてしまった。時間がない」
「〇月☓日△曜日。せめてこの日記を残そう。もしこの日記を見つける人がいたらこの写真の男に気を付けてくれ、いや、すぐにここから逃げてくれ」
写真が貼られており写っているのはピエロのメイクをした斧をもった人間だった。日記が本当なら若い男性なのだろう。
「え〜、なんかヤバそうなんで撤退したいと思います。ビビリなんで」
その時、背後に気配を感じた。恐る恐る振り向くと写真と同じ人間が斧を持って立っていた
「やべぇ、逃げる!」
動画も忘れて一目散に逃げ出した。
「はぁ、はぁ。ここまで逃げれば大丈夫だろ」
あまりに慌てていたため、出口ではなく更に奥に向かって走っていた。
ふとあたりを照らすと1人の男性が2〜3メートル程先の場所に立っていた。動画を思い出して取材を試みる
「あの〜すみません、関係者の方ですか?ここで何をされているんですか?」
返事がないのでさらに近づく
「この建物は斧を持った人が出るので危ないですよ」
「ーその人というのはこんな顔ですか?」
振り向いた男性の顔をみた瞬間腰が抜けて床に座り込んでしまった。何故ならあの斧を持った男だったから。
「へっ、なんで、嫌だ、うわ〜!!!!」
男はズボンのポケットからナイフを取り出して座り込んでいる男性に振りかざしたー
動画はここで終わっている。
「確かにこれは閲覧注意だな」
帰ろうとすると背後に気配を感じた。あの男が斧を持って立っていた
カメラの中身 女神なウサギ @Fuwakuma
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