あるオカルト雑誌編集者の独白

 知り合いが、死にました。何時もは締め切りをキッチリ守る生真面目なヤツだったんですけど、その時に限っては連絡もなしに期限破るわ無断欠勤するわで。不思議に思って編集長とソイツのアパートに言ってみたら、死んでました。


 異様でした。部屋の扉を掻き毟って、まるで何かから逃げようとしていたけど出来なかったみたいな酷い顔をしていました。そんな明らかにおかしい状況なんですけど、死因は警察の話を信じるなら心臓麻痺だそうです。


 えぇ、編集長と顔を見合わせましたよ。ソイツが取材していた『持ち主が必ず死ぬ絵画』の件とそっくりで。取材した大学生の知り合いも心臓麻痺で死んだそうです。で、数日前にその大学生も死んだってニュースで見ました。死因はやはり心臓麻痺。


 記事は出来てたんですけど、アイツには悪いけど掲載は見送る方向になりました。編集長とも相談して、流石に身内に不幸が出てるからなぁって判断ですね。


 正直なところ、もう遅いのかもしれませんが、そうした方が良いような気がしたんです。


 でも、一方でそれでも調べてみたい気持ちもあります。取材した大学生とその知り合い、つい先日死んだアイツは一体何から逃げようとしていたんでしょう?あの絵は一体何なんでしょう?


 でも何より……






 ねぇ、編集長。編集部にあんな絵、飾ってなかったですよね?アレ、何時からあるんです?

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風見星治 @karaage666

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