ハードコアな自分探し。


 大学一年。エネルギーを持て余していた作者は「自分探し」のために旅に出ることに。

 インドは人生が変わるという先輩の助言に従い、半ば勢いで現地に乗り込んだのだが……

 冒険の実情を分かりやすく描いたエッセイ。



 怖いというか、危ないというか。

 当方も「自分探し」が流行っていた頃の世代なのでお気持ちはよく分かります。
 憧れというか、変身願望というか、自分を試してみたいというか……
 大学生の空白に見事に入るんですよね。

 とはいえ、旅人のために国や住民がいるわけでもないのもまた事実。
 旅先はどこであれアウェーだということは忘れないでおきたいものです。

 作者からすると散々だったのかもしれませんが、作中に出てくる衝撃的な光景も深め、
 確かに価値観に影響は与えそうだな、と思わせる点がこの作品を味わい深いものにしています。