不遇な扱いを受ける皇子の、心を溶かせ!

弱小豪族の娘、糸季は、ある日突然
第二皇子の正室候補に選ばれる。
なぜ自分が、そんな高貴なお方の正室候補にと戸惑う糸季でしたけど、この二の皇子・澪はかなり難しい立場にある人。
彼はこの国に伝わる伝説の存在、雨神様の生まれ変わりと言われていたのです。
この『言われていた』というのがポイント。過去形なのですよ。
それというのも、雨神様の生まれ変わりとされていたのに、雨降りの儀式に失敗して偽者呼ばわりされ、以後彼は不遇な扱いを受けていたのです。

澪自身は嘘をついたわけでも、周りを欺こうという気もなかったのに、勝手に騒がれて罵られるなんて酷い!
そんな澪に糸季は寄り添い、冷えきっていた彼の心を溶かしていく。

皇族やそれを取り巻く人達の様々な思惑が交差する、中華ファンタジー。
危険な術を使う陰陽師も出てくれば、澪の兄も絡んできて、糸季たちは怪しい陰謀の渦に呑み込まれていきます。

心情がとても丁寧に書かれていて、キャラクターの苦しい気持ちや愛しい気持ちに共感することまちがいなし。
だんだんと強くなっていく糸季と澪の絆が、大きな見所です!

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