第2話 地震が起きる前にできること
私が地震が起きる前にやっておいてよかったと思った対策などについてお話したいと思います。
東日本大震災の時は、耐震対策はそれなりにしていたものの、まだまだ甘い状況でした。
阪神淡路大震災の映像を知っていますので、地震が怖いという意識はありましたが、やっていた対策はタンスの転倒防止に足下に少し傾斜をつけるビニール製のストッパー(転倒防止板)とガラスの本棚に飛散防止の透明シールを貼っていたくらいです。
突っ張り棒は、こう本棚やタンスと天井との間が、空きすぎていても入れにくいからです。
家具はL字金具で固定する方法もありますが、これもマンションですと壁が硬すぎるコンクリートだったり、柔らかすぎる石膏ボードだったりでL字金具の設置が難しかったり、しても強度が足りずに意味がないからです。
簡易な耐震対策をしてとりあえずやった感を出していたのですが、結果としては転倒防止板は震度6には全く役に立ちませんでした。(しないよりはマシかも知れませんが、効果は感じられませんでした)
あれの効果は、震度5弱程度までだと思います。
私がおすすめする家具や本棚の転倒防止対策は、やはり『家具転倒防止伸縮棒(突っ張り棒)』です。
東日本震災の当時は、この突っ張り棒の長さというのもが限られていました。
あまり長さの種類がなかったんですね。
しかし現在は、小さい物から大きなものまでさまざまな種類があります。
きっと、ちょうどいい幅の突っ張り棒が見つかるはずです!
あまり安くもないので、全部には出来ないかもですがなるべくすべての家具に設置することをお勧めします。
命には代えられないので、少しずつでもいいので買いそろえて損はないと思います。
まずは、本棚やタンス、食器棚と言った、大きめの家具を中心に突っ張り棒を設置してみて下さい。
突っ張り棒を設置するには少しコツがあります。
しっかり張るように、奥の方に設置しないと役に立ちません。
この微動だにしないように設置する為は、少し練習が必要です。
説明書をよく読んで人手があるならば、家族の人に手伝ってもらうといいでしょう。
あまり役に立たないと言った、転倒防止版もこの突っ張り棒と併用することで効果が高まりますので、今ある物は利用するといいと思います。
L字金具は、借家だと穴あけをためらいますし、持ち家でも壁の強度が足りなけば意味がないので、よく壁の強度を確認し、もしくは柱の近くで柱に打てそうな場合はよいかと思います。
そういう意味では、私は突っ張り棒が設置のしやすさと効果がある耐震対策だと思います。
ただし、突っ張り棒も完ぺきではありません。
時間がたったり、小さい地震でも少しずつゆるんきます。
定期的(1年に一回、2回くらい)に、ゆるみがないか確認しましょう。
合わせて、本棚の場合は扉があるものならば突っ張り棒をしていて転倒は免れても、中身は飛び出すのでチャイルドロックや簡単なところだとS字フックでかんぬきをかけると本の雪崩防止になりますよ。
食器棚も同様です。
震度6だと扉状の物はすべて全開になると覚悟して対策をしてください。
本棚も台所の備え付けの棚の扉は、全開になりすべてものが雪崩になって出てきました。
それを踏まえこれから本棚、食器棚の購入を考える方は、引き戸にすることも耐震対策のひとつであるのでオススメです。
あまり滑りの良いよいレール状の引き戸だと意味がないですが、木製の横の引き戸だと地震時に全開になることが防げます。
*
実は、私も一応非常持ち出しバッグも作っていましたが、避難所に行かなかったこともあり特別役に立つことはありませんでした。
なので今は、作ってなかったりします。
急にサバイバル的に屋外への避難を余儀なくされた場合は必要かも知れませんが、下着やトイレットペーパーやタオルや軍手まで入れておくように書かれた非常持ち出し袋は本当に必要なのか? と個人的には少し疑問に思います。
もちろん、ないよりあったほうがいざというときに安心ですが……。
高価な非常持ち出し袋を販売しているところもありますが、あれば安心のお守りの様なものと割り切れる人は買ってもいいかも知れません。
(よく持ち出しリストを見れば、自分でそろえられるものがたくさんあります)
私は震度6の地震後に、自分で作った非常持ち出し袋から物を取り出して使ったことはありません。
準備することが無駄だとは言いませんが、津波や増水で一刻を争って逃げなければいけないエリアの方以外は、非常持ち出しのリストを目の届くところに置いておくだけでもいいかと思います。
よく見るとほとんど家にあるものなので、その時になってかき集めてもすぐに集まるものが多いので。
非常持ち出しで、すぐに調達できないものは以下かと思います。
・発電式懐中電灯(スマホチャージ機能付き)
・電池式、発電式のラジオ
・カセットコンロ
・ポリタンク(水用)
これは、意識して購入しないと家にない物なので、これを機にそろえてみてはどうでしょうか?
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昼間の地震は、明るいこともあり色々対応ができますが、怖いのは就寝時の地震です。
寝室のベッドまわりに落ちてくるものがないかよく確認してください。
私は、震災当時は寝室に180センチの大きめのカラーボックス型の本棚を置いていました。
本の向きはベッドの方は向いてないので安心していましたが、実際地震が起きて本棚が倒れたとき、揺れの方向が悪かったせいで、本棚は転倒ではなく崩壊しバラバラの板になってベッドの上に雪崩のように押し寄せていました。
3.11は午後3時ごろの地震です。
偶然、会社にいたので助かりましたが、これが就寝時だったらと思うとゾッとします。
本好きの方が多いと思いますが、どうかベッドまわりには本棚を置かないようにご注意ください。
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水や非常食についてですが、震度6の地震が起こった場合、電気・ガス・水道のいずれかのライフラインが断たれることがあります。
しかしながら、全部が断たれることは稀です。
私は運が良かったのか、3回の震度6でライフラインが立たれたのは、1回だけで水道が10日止まりました。
電気に関しては、電柱が倒れたりの場合は復旧に時間がかかりますが、そこまででなくただ電線が切れただけならば、山奥でなければ復旧は比較的早くされます。
ガスは、水道は地下菅なので修繕には掘る作業が伴う場合、時間がかかったりします。 (10日間断水の原因は、市内へ水を運んでいる大動脈である特別に作られた配水管が破損したせいでした)
ただし水道に関しては、浄水施設が無事で枝の水道管の破損だけならば、給水車で給水所に水が届きます。
水道局の給水車だけでなく、民間で浄水を扱う業種の給水車までお手伝いしていたのを震災同時よく見かけました。
電話は、今は携帯(スマホ)が主流なのでアンテナが倒れたりしない停電ならば、基地局に電源車が出て比較的早く仮復旧されます。
あくまでも道路の破損がない状況なら、ライフラインが途切れても他の方法でリカバリされるので、心配しすぎなくていいという話でした。
今回、南海トラフ地震の場合は震度7や津波被害も想定されているとのことなので、すべてが断たれるエリアも出て来るかも知れません。
最悪の事態を想定するときりがないですが……。
基本的な対策としては、常に数日間外に出なくても食べられるだけの食料を確保しておくということです。
一人暮らしだと、冷蔵庫が空っぽ……ということは、よくあるかも知れません。
しかし、地震に限らず台風やコロナもある時代です。
パンデミックが起きることも想定して、数日間の食料を備蓄してきましょう。
長期保存可能な非常食じゃなくてもいいです。
賞味期限が1年程度のものをストックしておけば、物流が回復するまで食つなぐことができます。
(残念ながら、近所にスーパーがあっても道路状況が悪いと、物流が滞りすぐに商品棚が空になってしまいます)
ストックとして、インスタントラーメンやパスタやそうめんなどの乾麺は最適ですね。
シーチキンや鯖缶などの缶詰おかず系は日持ちもするし、非常時も調理せずそのまま食べられるので便利です。
調理しなくていい物とし、コーンフレークやシリアルなどもいいでしょう。
こういう物は、ローリングストック(備蓄しつつ、普段にも賞味期限の近い物から消費し、また補充しておく方法)しておくといいですね。
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他にも色々ありますが、車はガソリンが空っぽになる前に入れておくことや、お風呂の残り湯は翌日までとって置く、などもひそかな地震対策と言えます。
今回は、地震前にやっておいた方がいい対策などを書いてみました。
次回は、実際に地震に遭遇したら? 場所によっての身の守り方について書いてみたいと思います。
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