第6話 地震後に起こること-2(水道、衛生、ガソリン)

  つづき



 地震後に気になるのは、インフラの状況です。


 インフラというとちょっと分かりにくいかもですが、要するにライフラインである電気、ガス、水道、通信に電車、道路、下水道、医療、学校など生活の基盤になるもの合わせたものがインフラです。


 私の場合は、東日本大震災の時に約10日間ほど水道が止まりました。


 電気は大丈夫でしたが、原発事故の関係で節電を呼びかけられていましたので、最低限の電気で過ごしていました。

 電気の他に、ガスがつかえたのは非常に助かりました。

 電子レンジも湯沸かしもできたので、普段ように購入していた食材で何日も食べつなぐことができたので。


 電気、ガス、水道はライフラインと呼ばれるほどの命綱ですから、すべてが止まってしまうとかなり困窮します。

 

 私は、水がない経験だけなのでその話をしますと、まずトイレが使えない、お風呂に入れない、飲み水、料理用の水がない。食器も洗えない。洗濯できない。

 という状況になります。


 トイレが一番深刻な問題ですね。

 

 最初は、給水所でもらって来た水で大便の時だけを流していたのですが、それでも紙が詰まるんです。


 水流、水圧が足りないから。


 こういう時は、女性は用を足した後のトイレットペーパーは便器にいれないで汚物入れなど入れて別にしておくとよいと言うのを後から知りました。


 もし、地震で水が使えなくなったときにトイレ問題に出くわしましたら、思い出してください。


 

 髪は、4日目くらいで個人的には「洗いたい……」と思ったのですが「明日になれば水が来るかも!?」という期待から、一週間までは洗わずに我慢しました。


 ただ、それ以上は冬場とは言え頭皮が痒かったので、友達に『霧吹きで髪全体を濡らしてから少量のシャンプーを水で薄めて洗うと、節水だけどスッキリ洗えるよ』と教えてもらったので、お湯を沸かしてぬるま湯をバケツ一杯分ほど作り洗いました。

 髪の長さはセミロングでも、さすがに一週間洗わないと泡立ちが悪く「ダブル洗浄したいっ!」 と思いましたが、流し足りないと水で洗わないといけなくなるので、諦めました。


 その時は、それなりにすっきりして気分が上向いたのを感じました。


 現代人にとって、衛生とお風呂は本当に大切なのだと身に染みました。

 話しに聞くところでは、温泉地だとお湯が沸いているので、上水道が止まっていても源泉かけ流しのところでは温泉には入れたそうです。


 交通状況が悪くなければ、宿泊は無理でも非常時には日帰り温泉として提供してくれる旅館もあるので、利用してみるのもいいかもしれません。


 温泉に行かなかった私は、蒸しタオルで拭いていました。


 冬場でも4日くらいお風呂に入らないと、脇とか胸下とか、デリケートゾーンとかの体臭が気になるものです。

 不衛生に慣れてない現代人にとって自身の体臭が気になるのは結構気分がめいります。


 5日目くらいに、お風呂の三分の1くらいにヤカンで何度もお湯を沸かしてお風呂もどきに入りました。


 この教訓から、後日我が家は沸かし湯の出来るお風呂にリフォームをしました!


 当時は、沸かし湯の出来ないお風呂だった上に前日の洗濯にお湯を使い果してしまっていたのです。


 なので、それ以来お風呂のお湯は翌日洗うときに抜くことにして、夜は絶対に抜かないことにしました。


 そうすれば、ガスと電気があれば沸かし湯で1,2日お風呂に入れますし、トイレも流せますから。


 残り湯は宝物です!!



   *



 水道が止まったら、どこから水を調達するのか?


 前述でも少し触れましたが、給水車が出動して、浄水場から直接水を車で給水所まで運んでくれます。


 給水所は、避難所の敷地や公共施設の駐車場などに開設されることが多いです。

 水は重いので、近くでも車で取りに来る方もいました。

 道路状況が悪くなければ、あるいは上水道が止まっているエリアが広くなければ、給水車はどんどん来てくれます。


 私も、日に何度ももらいに行きました。

 その際、水は重いので台車があると便利です。


 ただ、うちはマンションの上階でエレベーターも止まっていたので、最初の頃はちまちま少しずつもらってきていました。


 階段を水を持って上がれないんで💦


 エレベーターが4日目くらいに回復してからは、台車でもらいに行ってました。


 このときに、水用のポリタンクがあるといいですね。


 うちは、父が畑を借りていて畑に水をやるのに大きめのポリタンクがあったので助かりました。


 

 ただ、なくても町によってかもしれませんが水を運ぶための水を入れるビニールのリュックサックをくれます。


 5,6リットル程度入るものです。


 数に限りはあるでしょうが、地震に限らず台風などの災害も近年多いですから、各水道局等で準備はあるかと思います。


 そういう物がもらえなかった場合に代用できる方法として、衣装ケースや段ボール箱などの、しっかりした箱にゴミ袋を二重にして被せて簡易的な水槽を作る方法があります。

 やる機会がないことに越したことはないですが、もしもの時は思い出してください。

 

   *



 我が家は、食料については電気ガスがあったために、それまでに買っていた米や野菜、乾麺を食べて過ごしたので特に困った記憶はないのですが、流石に牛乳や肉、野菜などの生鮮食品が食べたくなり家族が近所のスーパーに買い物に行きました。


 食品ケースがガラガラだったそうです。


 これは、買い占めということだけではなく、災害復旧の優先のため、一般の物流が少し遅れていたことの影響があります。

 物資や食料を最も被害の大きい場所に届けるために、優先順位が低いところは遅くなるのは仕方のないことです。

 そういうことも想定して、長期保存ではなくてもある程度日持ちのする食品(乾麺や缶詰)などをローリングストックしておくといいですね。


 調理が不要なシリアルやエナジーバーみたいなものもあると安心です。

 

 野菜ジュースなども日持ちするものありますし、個人的にあって便利だったなぁと思ったものです。

 当時、ニンジンの野菜ジュースにハマっていて2本ほどストックがあったんです。


 給水車の水は、助かったのですが同時に少しカルキも強い感じだったんです。


 たぶん、浄水場の出来立ての水って水道管を通ってないからフレッシュすぎてカルキが強いんじゃないかな?(勝手な推測ですみません。不確か情報です💦)


 なので、水分は補給したいけどそのままの水だとちょっと苦手というときに、野菜ジュースと割って飲んだり、ポカリの粉を入れて飲んだりと工夫していました。

 

  *


 電気、ガス、水道はどれも大切です。


 現代人にとって、もう一つ大切なのがガソリンです。

 しかし、東日本大震災の際はガソリンが不足して給油できない状態がありました。

 製油所やガソリンスタンド、輸送手段のタンクローリーも被災し、供給が回らなくなってしまったからです。


 給油する為の車の長い列を目撃しました。


 会社でも車通勤の人は『もう、今日給油できなかったら明日はこれないかも……』と、給油できずに毎日、弱音を吐いていました。


 南海トラフ地震が起きた場合も、津波で沿岸部の製油所やスタンドが被災すると、ガソリンの供給が滞る可能性があります。

 場所によっては避難時に車が必要という人もいるでしょうから、ガソリンは下限ギリギリにはせずに、マメに満タンにしておくことも地震対策と言えます。

 


 蛇足ですが、緊急車両は優先的にガソリンスタンドで給油させてもらえます。


 当たり前と言えば当たり前なのですが、警察、消防、救急の他にも緊急車両はあります。


 インフラ復旧に携わる車は緊急車両として警察に届け出を出します。


 うちの会社は警察、消防、救急のどれにも当てはまりませんが、インフラ系の会社なので地震に限らず、台風などでも破損したところを直すのに駆け付けする赤色灯のついた特殊車両が数台あります。


 電気、ガス、水道、通信、道路など、インフラには様々あります。


 災害時に、白でも赤でもないあまり見たことのない特殊車両が優先的に給油していても怒らないで下さい。


 また、赤色灯をつけて道路を走行する車は、警察、消防、救急以外にもあると知っていただけるとうれしいです。


 


 ※もうちょっと書きたいですが、とりあえず今日のところは終わります~。


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