結婚
月日は流れ、北葉が18歳を迎えたある日、風花は北葉の家で重要な話を持ちかける決意をしていた。北葉の父親は、風花が忍者であることに対して大きな懸念を抱き、彼女に忍者を辞めるよう求めていた。風花はその条件を受け入れる決意をし、北葉と一緒に未来を歩むための一歩を踏み出そうとしていた。
風花は北葉の家の庭で、北葉と二人きりで静かな時間を過ごしていた。風花の表情には決意と少しの不安が混じっていた。
「北葉、私が忍者を辞める決意をしたのは、君と一緒に未来を築きたいからなんだ。」風花はその決意を言葉にしながら、北葉の目を真剣に見つめた。
北葉は驚きと喜びの入り混じった表情で風花を見つめ、ゆっくりと頷いた。「風花、私も同じ気持ちだよ。でも、忍者としてのあなた
がどれほど大切な存在だったかも理解している。あなたがこの決断をしたことを、心から尊敬するわ。」
風花は北葉の父親と再び向き合う準備を整えた。家の中、静かな書斎での対話が始まる。北葉の父親は風花をじっと見つめ、彼の目には厳しさと共に複雑な感情が浮かんでいた。
「風花、お前が忍者を辞める覚悟を決めたことは理解した。」北葉の父親は穏やかに言った。「だが、君がどれほど真剣に北葉を想っているのか、私に示してほしい。」
風花は深呼吸をし、自分の真剣な思いを伝えた。「私は、忍者としての生活と北葉との未来のどちらも大切にしたいと考えていましたが、最終的に選んだのは歩香との未来です。私の決意が本物であることを示すために、忍者の道を離れる決心をしました。そしてこの忍の掟の書を今、ここで捨てます、この刀と手裏剣とともに…」
風花と北葉は、風花の家の近くの小さな茶屋で一緒に過ごすことにした。風花は茶を淹れながら、心からの安堵と未来への希望が入り混じった表情をしていた。
「これからの生活がどんなものであれ、私たちが一緒にいられることが一番幸せだよ。」風花は北葉に優しく微笑みかけた。
北葉は風花の手を優しく握り返し、「私も同じ気持ち。これからも一緒にいられることを、心から楽しみにしているわ。」
二人は互いに支え合いながら、新たな生活へと向かう決意を固めた。風花の忍者としての人生は幕を閉じるが、北葉と共に新しい未来を築くための第一歩が、ここから始まるのだった。
終
忍びの恋/忍の掟 紙の妖精さん @paperfairy
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます