須賀マサキさんのバンド小説「OVER THE RAINBOW」シリーズ。時系列では三作目。メンバーはまだ大学生。デビュー前夜のお話です。語り手の得能哲哉はどこか飄々とした雰囲気を持つ青年。それでいて人の求めによく応え、距離が近く、どことなく人恋しさを感じさせます。繊細な感性を持つ彼の心の動きが非常にリアル。仲間をかけがえのない存在としてとても大切にしていることが伝わってきます。ラスト少しずつ決意が固まっていく姿に胸が熱くなりました。シリーズ通して楽しめるお話です。
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