ずん、と切ないような気持ちになりました。現実とそうでないものの境界が溶けて、混沌の中で混乱していく感覚を覚えましたし、ショックや絶望といったものも感じました。私の場合は、この作品から切実さを感じ、それに心を動かされました。
筋が通らない出来事に、筋が通った説明がなされる。ミステリーの王道です。仕掛けが決まると爽快です。この作品は上記を綺麗に決めます。しかし爽快ではなく、やり切れなさが残ります。現実には起こり得ない事が現実に起こる、その転換点とは? 私達は知る必要があります。これから生きるために。
この作品は超短編なのですが、作者様の実体験で。オチが私の境遇と同じなので、凄くわかりみが深くて。「あぁ、このオチ、怖いよねぇ」って思いました。ある意味怖くは無いんですけど、良く考えたら怖いんですよ。ある意味、「自分どうなるんだ?」って思いますからねぇ。同じ境遇ゆえの、「あぁ……」っていう理解。ちょっと言葉を間違えると壮大なネタバレになるので、凄く言葉を選んでこのレビューを書いています。700字弱の超短編です。まずは読んでみて下さい。
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