どんな形でも、命はつながっている。


 とある作文コンクールの最優秀賞は、ブタの心臓を移植したショウト君の体験記だった。

 移植までの経緯、手術後の周りの反応、自分の葛藤。

 小学校高学年という年齢らしい、率直で、だからこそ突き刺さる一作。




 テレビのインタビューなどで、達観した子供がたまに登場することがある。

 世界観、将来像、気持ちの表現。どれを取っても大人顔負けな、そんな子供達。

 教育方針や環境、経験が大きく影響しているようだが……この作品にはそういった雰囲気があった。

 経験を踏まえ、ショウト君が起こした行動が正しいのか、それは分からない。

 しかし、生きている限り……いや、死んだ後ですらも、命はやはり他とつながっていて、
 彼の行動は、それを肝に銘じるための、彼なりの清算だったのだろう。


 心の動きをはじめ、「実在する作文なのでは?」と思わせるだけの力があった。