ある城に行った時の話


 私用で香川県へ訪れた際、用事の合間に時間にあるお城へ行きました。

 高台にある本丸を見た帰りの下り坂。前後の見通しが立たない九十九つづら折り状になって途中で異変が起きました。道のすぐ隣の草むらの中に人間の胴よりも太い白色をした大蛇の腹がうねっているのが見えました。


 私は驚いて前後を見渡しました。

 あんなに大勢いたはずの坂を降っていた人たちがたまたま・・・・途切れて一人も見当たりませんでした。もう一度草むらを見ると、もう白蛇の胴は見えなくなっていて同時に後ろの方から他の城を見終わった見学客が角を曲がって、どんどんこちらに下りてきました。


 白昼夢を見たのでしょうか?


 その後、香川県出身の方に聞いてもその城にまつわる不思議な話をインターネットで検索しても何ひとつ出てきませんでした。


 友人や職場の同僚など色んな方にこの不思議な体験を話しましたが、反応はいまいち。


 年が経つにつれてあれが夢だったのか、と自信がなくなってきています。


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日常の隙間に潜む「扉」の向こう側 あ・まん@田中子樹 @47aman

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