概要
この地球(ほし)は竜が落とした左眼と気づきしときに反世界見ゆ
短歌連作10首です。よろしくお願いします。
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- ★★★ Excellent!!!この地球(ほし)は竜が落とした左眼と気づきしときに反世界見ゆ
今回はちょうど十首である。連作としてはスケールが小さいが内容はむしろ濃い。
たとえば三十首や五十首の錬作であれば「箸休め」的な軽いギャグ系の短歌が挿入されたり
「あえて凡歌を連作の持つ『流れ』の力で光らせて見せる」といった余興じみた一種のアクロバットがなされたりするものだ。
それが十首だと遊びも余裕もそこまで用意できない。
先鋭化された世界をできるだけ深く読者に届ける。読者を刺すということに要点が置かれる。
とにかく鋭いことが肝要だ。構築や様式の美あるいは「完成度」などはそこまで問題ではない。
ただ短く短くされた言語で、どこまで「自らの視ているたった一つの世界」(それを「幻視」と呼…続きを読む