反世界交響楽
菫野
反世界交響楽
一椀の神がとろりと溶けおちぬ猫やベンチやパフェーの上に
まなぶたに蝉の骸の落ちきたりふと沈み入る眼球の内
鳥のごと飛び立つときの恍惚のため黒髪にゆふぐれを飼ふ
そびらより生れし天使のそりかへりそりかへりして われはぬけがら
この
わたくしをさしころすには昏き洞にとろけぬ刃ひつようとする
ラピスラズリ 夜明けおのれをみうしなひ画布ゆ聖母の被衣あふれて
生きる、ただ欠けてしまつた水晶の
水面にピアノ一台おき放ち反世界交響楽おもへ
反世界交響楽 菫野 @ayagonmail
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