概要
本を食うユリ、孤独な私。
ユリは本を食う。本を食う、というか、文字を啜る。似ているけれど、ちょっと違う。生きるために、文字を自身の体に取り込む。取り込み終わった本は空っぽになる。文字が本から消え去るのだ。そしてユリは知識を得る。だから、覚えようと思って、覚えてきたわけではない、なのだ。ユリは欲しくて得たわけではない。最初は言葉さえも知らなかったユリが、月が綺麗、なんて言葉に反応を見せる様子には、感慨深さもある。
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