第三話

 吸い込まれてどれぐらい経ったのだろう。数秒?それとも何十分?もう暗いし地味に寒いしどっちが上で下か分からないが落ち続ける感覚だけはあるし。もうこのまま自分は死ぬんだ

みんなありがと、シャンパンタワーやりたかったな、、がっぽがっぽもできない、、

そんなことをぐるぐる考えていたら光が見えてきた。よく見ると水が張っててその向こう側に木造の部屋があり、床にバッグなどが転がっていた。まさか、今からここに飛び込むというのか(涙)

 頭からいくのは絶対痛い、しかもせっかくかわいくセットしてもらったのに、もう泣くわ、てか泣いてるわ。

 覚悟を決めるしかない。最後の痛みに耐えるように私は身体をできる限り丸めて頭を覆った。

 水がはじけ飛びそのしぶきが腕にかかった。いよいよだ。

、、、やっぱ無理だよ!!覚悟決めたっておもったけどこんな短時間で死ぬ気持ちなんて固まんないしやりたいことまだあるしお金だって稼がなくちゃそれに例え生き残ったとしても頭からいったら首ぼきだし歩けなくなるかもだし、、!!とにかくまだ生きていたい!!!!


 その瞬間、またもや風がブワッと吹き吸い込まれる様にして視界が明るくなった。

私はぎゅっと目をつぶる。くるぞ、くるぞ痛いのが!!そしてドンッと衝撃を受けた!!膝に。。。あれ?まあまあ痛かったけど意識あるぞ?てか頭痛くない、それよりも膝と肘がじんじんする。

恐る恐る目を開けてみると自分と目が合った。


「ぎゃ!」


 びっくりして飛び起きるとパネルが床に落ちていた。どういうこと?私いきてる、生てる!!

さっきの体制を思い返してみると、頭かくして尻隠さずみたいなポーズをとっていて、下にはパネルが敷いてあった。んてこは、真っ逆さまに落ちていると思ってたけど、いつの間にか横向きになっててウォータースライダーみたいにパネルで滑ったってこと??んー意味わからん。まぁ、いいや、命あるし。お前のせいで怪奇現象に巻き込まれたけど、お前のお陰で助かったわ。だけどムカつくから自分のパネルに一発パンチを喰らう。


 ふぅ、てかここはどこ?周りを見渡すと和風な木造建築の部屋にいた。そしてざぁぁぁと水が勢いよく落ちる音がする。後ろを見ると、鏡があり、さらに驚くことにその奥に大きな滝があった。周りは湖の様になっていて、提灯が浮かんでいる。私が立っている場所はその湖の上に建てられた床、、。


 うん、いったんおちつこうか。これは夢か客が作ったドッキリだ。そうだ誰かに電話をして確認してみよう。

 遠くの方に落ちていたスマホを拾い画面をつける。電波は皆無、、これじゃ連絡取れないじゃないかマヌケなスマホめ⭐︎

ハハ、じゃぁ夢だ寝たら現実に戻れる。

私は寝っ転がって目を瞑った。だがいくら経っても寝れない。よし、羊を数えよういーち、にー、、


現実逃避をしているとドタバタと何処からか足音と声が聞こえてきた。


「星姫様ー!!!」


 そうか、ここが人の家だとしたら家主がいるのか。なんか挨拶とかしたら夢から出れるとかあるのかな?とりあえず怖い人だったら嫌なのでちょっと襖を開けてみることにした。


 5センチぐらい開いて外を覗いてみる。うーん薄暗くてイマイチわからない。でもさっきから妙に騒がしいんだよね。もしかして侵入者探しで、その侵入者が私で見つかったらゲームオーバーで起きれるのかな?笑


 じっと見てること数秒、奥の方に人影が見える。その人は手に提灯を持っていて仲間を呼んでいるようだった。うーんシルエットはなんとなく見えるけど、どんな人なんだろ?


 提灯は動きに合わせ無造作に揺れてる。その時持ち主はその提灯を指揮棒のようにして命令し指示足しをしているようだった。提灯は顔の方を薄らと照らす。その時に私は見てしまった。本当の姿を。ねっとりした質感、緑色の肌、目はギョロっとしており頭はおカッパの様だが皿がある。カッパ??

えっ、河童???

リアルすぎる。リアルすぎるよ。イラストの様な可愛らしさは0。カエルの様でぶっちゃけ生々しさがきもちわるい。てか怖すぎる。いくら夢でも恐怖で声をかけられそうに無い。


 私はそっと気付かれない様に襖を閉めた。冷や汗が出て頭がぼーとする。

ゆっくりと後ろへ下がるが、腰が抜けて部屋の真ん中で座ってしまった。

どうしよう、どうすれば醒めれるの?もう目覚めなきゃ皆んなに迷惑をかけてしまう。ここまで頑張ってきたのに、信用をなくしてしまう、

でも何をしたらいいのか分からない。


すると部屋の前に気配がし、黒い影が見える。それはこの部屋を開けようとしており、襖に手をかけている様だった。


ダラダラと汗を流すことしかできない私は急なことに身体が動かず、その様子を見つめていた。

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