未知のものへの本能的な恐怖を掻き立てる

異質で不気味。
そんなものを体験した時、本能的に「逃げなければ」という警鐘が鳴るのを感じるのですが、この作品の「未知」は見事にそれを描写しています。
おそらく、日常部分を細かく描写することができているためでしょう、それだけに非日常の異質さにメリハリがつき、目を背けられなくなります。
また、そこはかとなく「クトゥルフ神話」のようなコズミックホラーの雰囲気を感じられ、深淵に封じられた禁忌や、日常の裏に隠された非日常の真実の存在がじわじわと脳裏を侵食していくような感覚を覚えます。
「恐怖」の形には様々なものがありますが、本作品によって得られる「恐怖」は、きっと特別な体験になると思われます。

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