焦がれた夢を焼く惨劇の現実味がリアルすぎる

徐々に非日常に侵食されていく過程がリアルで、文章を読み進めるほどに固唾を呑んでしまいます。

主人公は火星に憧憬を抱くごく普通の大学生で、火星移住計画に応募してしまう年相応の積極性があります。
しかし、当選したことを皮切りとして、彼が望んでいない方向へ徐々に暗雲が立ち込め始めます。
その様子が巧みに表現されているため、得体の知れない恐怖•緊張感を読み手も体感することができます。
ありふれた日常と望まなかった非日常。
そのふたつに晒された主人公の苦悩が、作者の文才で鮮明に描写されているのです。

まだ途中までしか読めていませんが、自信をもってオススメできます。
作品にリアリティを求める方、緊迫感を味わいたい方は特に必見です。

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