第6話 銀の卵を孵す
-side フィル-
--ゴクゴクゴクゴクゴクゴク!
--ピッカー!
--ゴクゴクゴクゴク!
--ピッカー!
金の卵を返し終わった俺は、銀の卵も孵さないといけないので、変わらずグビグビポーションを飲んで魔力を注いでいる。
「ギャア……」
金の卵から孵ったドラゴン--ラピスが俺の事を見てドン引きしているのが伝わってくる。従魔契約をしているとその魔物がどういう感情なのかやどこにいるのかが伝わってくるのだ。
本当はそんな卵の孵し方良くないと言われているような気がしなくもないが、気にしない気にしない。
ガハハハハ!効率こそ正義。これはこれで、正攻法なのだから。
ーーピキ……ピキ……ピキ……
「おっ……!きたか」
--ピッカーーー!!
「キャンキャン!キャンキャン!」
空が光ったかと思うと、目の前には白銀色の美しい狼が目の前にいた。
その姿は子供の頃に大好きだった絵本に登場した魔物そのものである。この子はまだ子どもだが間違いない。
「まさか……!!フェンリル!?!?」
「キャン!」
そうだ、と肯定するように俺の周りをくるくると歩きまわる。そういえば、さっきラピスからも人の言葉や行動の意味を理解している感じがする。神獣が人語を理解し、話すという話は伝説は本当だったのか。
「テイムして良いか?」
「キャン!」
嬉しそうに飛び上がってぶんぶんと尻尾を揺らしながら、ぐるぐると俺の回ったあと俺の前へとお座りした。
どうやら受け入れてくれるようだ。
「じゃあ、お前の名前はリルだ!」
「キャン!」
--ピッカーー!
契約の魔法陣が光る。どうやら成功したみたいだ。
それにしても、2匹とも伝説の魔物だよな……。神様の使いとして地上に送られた生物という分類なので魔物ではなく、正確にいうと神獣という部類になるだろう。この泉の精霊--エレメンタルに貰ったダンジョン工房の種といい、家族にはなんて説明しようか頭を悩ます。正直この2匹を見せたら両親ともぶっ倒れる可能性がある。
「ま、元はと言えば、この卵をくれたのも双子と父上だからな。なるようになるべ」
「キャン!」
「ギャア!」
2人も肯定してくれてるみたいだ。
やっぱりこいつら賢い。
流石に家族には隠し事出来ないと思い、この2匹が新しい家族に加わったことを報告するため、一旦家に戻ることにした。
それにこいつらのステータスを鑑定するには心の準備が必要だ。2人ともさっきから俺の周りをふわふわ浮いていることから何かしらそういったスキルを持っていてもおかしくない。おーこわ。
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