囮のために一人見捨てられた聖職者、救助隊になる。彼が救うのは誰か?

パーティー追放もののなかで、これまでに一番感情が揺さぶられる作品かもしれません。

ダンジョン第五層を探索していた勇者パーティー。
全滅の危機に瀕し、囮のため一番レベルの低い聖職者ヒイロを置き去りにして、パーティーメンバーが帰還するところから物語は始まります。
運よく助かったヒイロは、自分のような思いをする者を助けるため、救助隊を結成。

様々な人を救っていくのが、聖職者らしくていい人です。
話は、勇者パーティーとの再会から、とてもおもしろくなります。

救助隊を結成したヒイロが救うのは、結局誰なんでしょう……

やられたらやり返す!というのも爽快かもしれませんが、本来的に、人間関係は、こういう展開が望まいしんじゃないかと思えます。

「ザマァ」して、必ずしも自分の心が救われるわけじゃないと思っていて。
壊れた人間関係の修復っていいよね、と個人的には思います。

それは、自分にとっても相手にとっても、他人と分かりあえる素晴らしさが感じられる作品になるんじゃないかと、期待しています。

あと、細かいんですが。
ダンジョンの描写がおもしろいと思ってます。

戦う相手がモンスターだけではなく、自然の脅威であることが多くて。
珍しいなぁと思ってます。
故に、主人公の知恵の働かせ方が際立つなと思ってます。

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