第23話 ここが変だよサンタクロース
皆様、ごきげんよう。
本日はクリスマスイブらしいです。
日本では信者数1%未満とかいうレア宗教のお祭りだというのに、騒ぎすぎではないだろうか。
実際、日本ではイエスの誕生日を祝うというより、恋人とイチャイチャするために利用したり、チキンを食べる日なのであろう。
だが、忘れてはいけない人物がいる。
そう、『サンタクロース』である。
私たちは、この人物のことを『プレゼントをくれる、ひげのおっさん』としてしか認識していないのだが、実は彼こそが狂気の象徴なのである。
ということで、その狂気の正体について、深堀りしていく。
【予算規模】
まず、子どもについて、ここでは10歳以下と定めることとする。
別に何歳でもいいのだが、中学生あたりに『サンタさんを信じてる?』とか聞くと喧嘩を売っているみたいになっちゃうからね。
ギリギリ許されそうなポイントを探してみた感じだ。
そして、プレゼントの金額を大体2000円と設定した。
最近の子どもはゲームソフトやらハイテクな玩具を欲しがると思うので、もっと高いかもしれないが世界中には玩具どころか食料すらもらえない子どもだっているのだ。
ということで、脳内でこれくらいを平均値として設定してみた。
すると、とんでもないことが分かる。
10歳以下の子どもは、およそ14億人いるらしい。
それに2000円を掛けると、総額28兆円だ。
ちょっとした国の国家予算である。
実際には運送費やらでもっと掛かるだろうが、あえて気にしないこととする。
こんな国家予算みたいな金額を一晩で散財させるとは、なんと恐ろしい男であろうか。
103万円の壁なんて、余裕でぶっ壊せる金額だ。
【トナカイ】
サンタの移動手段といえば、トナカイだ。
最近では自然保護団体がこの手の虐待を許さない流れが生まれているのだが、サンタに対してはお咎めなしだ。
太ったおっさんだけでなく、プレゼントも運ばされるのだから、これはとんでもない虐待と言えよう。
なお、トナカイには名前がついている。
・ルドルフ (Rudolph)
・ダッシャー (Dasher)
・ダンサー (Dancer)
・プランサー (Prancer)
・ヴィクセン (Vixen)
・ダンナー (Donner)
・ブリッツェン (Blitzen)
・キューピッド (Cupid)
・コメット (Comet)
ルドルフは残り8頭の先導役であり、かの有名な『赤鼻のトナカイ』は彼だ。
『赤い鼻が暗い夜道で役に立つ』とか言われているが、鼻が赤く見えるは光の反射が行われた結果、赤の周波数が目に入るからであり、暗い夜道では意味がないじゃないか。
と、偏屈者の♪少年は考えていたのだが、今にして思えば、これは浅はかな考えだった可能性がある。
こうは考えられないだろうか、『ルドルフの鼻は赤外線レーダーを照射することにより、暗い夜道でも的確に障害物の位置を把握することができる』のだと。
これならば、鼻が赤いのも説明がつく。
赤外線を照射するのだから、必然的に赤く光るのである。
【やりがい搾取】
サンタが存在するかという問いに真面目に答えるのであれば、正解は『存在する』となる。
なにしろ、サンタクロースとして公認する資格が存在しているのだ。
正確にいえば、『グリーンランド国際サンタクロース協会』が公認している。
この情報を知ったとき、資格マニアの私の期待は大いに高まるのだった。
だが、この資格の難易度といったら、私の知る限り最高レベルと言わざるを得ない。
アジア人では、『パラダイス山元』さんという、サンタクロースとは最も遠そうな名前の日本人ただ一人だからである。
余談だが、『パラダイス山元』さんはマンボミュージシャンであり、陽気なラテン系である。
まず、受験資格からヤバい。
・結婚していて子供がいること。
・これまでに、サンタクロースとして活動した経験があること。
・サンタクロースにふさわしい体型であること (衣装や装備を含めて体重120kg以上)。ただし、女性は体型面の条件に関しては満たさなくてもよい。
体重120kgはなかなか厳しい。
相当ふくよかな必要があるのだが、よく考えてみて欲しい。
サンタといえば、煙突から入ってくるのだ。そんな体型で入れるものだろうか。
この条件を満たした者は、以下の試験が行われる。
・プレゼントの入った袋を持って50メートル走を行った後、はしごで高さ約3メートル登って直径120cmの煙突に入り、暖炉から這い出なければいけない。その後、子どもたちが用意しているクッキー6枚と牛乳を完食して、スタート地点に戻る。制限時間は2分である。
・英語かデンマーク語での面接を行う。
そう、ここで体型の制限が活きてくる。
受験資格を満たそうとすると、障害物レースに苦戦するのだ。
私はこれを『サンタクロースのジレンマ』と呼んでいる。
晴れてサンタクロースに認定されたとしても、問題はこれで終わりではない。
なんと、サンタクロースの報酬は0円なのだ。
まさに『やりがい搾取』である。ワタ◯社長の漫画には『人間は食べ物がなくても、感動を食べるだけで生きていける』という飲食店にあるまじき名言が出てくるが、サンタクロースの実態はもっと過酷なのである。
【♪家のサンタ】
私が子どもの頃、家にやってきたサンタは『近所のスーパーのレジ袋に、見たこともないような漫画を一冊だけ入れて枕元に置く』という、子どもの夢をこれでもかとブチ壊すサンタであった。
サンタからのプレゼントを心待ちにして眠りにつき、翌日泣きそうな顔で落ち込んでいた妹が未だに忘れられない。
エッセイ日和~狂気の世界からこんにちは~ ♪ @keionpu
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