「大人らしく弁える・折り合いをつける」。その意味を噛みしめる一作。

(個人の見解です)
中村流「3大浮気短編」の第三弾。
シリアス度が高く、パロディに走る気にもならない。

主人公は、悲惨な事態に面してもグッと飲み込み、折り合いをつけようとするが・・・こちらまで痛々しさが伝わってくる。

「真の悪に比べれば、この人に責任はない」
ファクトとしてはそうだろうが。
感情レベルで受け入れ、日常に帰ることが出来るか。

男子高校生が似たような目にあったら、激怒や精神崩壊に繋がるだろう。
では大人なら折り合いをつけて、上手くやっていけるのか?

自分でもどうにもならない感情。
「人生の中では、何が大事か」を見極めて、手探りに決断することの意義。
再生と、道義的・社会的な責任のとり方。

年令に関係なく。人間が人間である限り、逃れられぬ宿痾なのだろう。