アルバイト
仕事は良く選ぶべきである、と僕は常々思います。
これは、僕が数年前に体験した出来事です。大学の同じサークルの先輩が僕にアルバイトを紹介したことから始まる、後味の悪い話なのです。
その先輩は物好きで、奇妙なアルバイトを請けてはその経験を武勇伝のように語る変な人でした。そんな彼女に僕はとくに気に入られていたようで、よく飲みに連れて行ってもらった時にその奇天烈な彼女の本当かはよく分からない経験談を聞かされました。その飲みの時もいつもと同じように先輩の武勇伝が始まるものだと思って身構えておりましたが、彼女の口から出たのは予想していなかったものでした。
「いいバイトがあるんだけどさ、どう?」
それはアルバイトの紹介、つまり彼女の冒険譚への招待でした。彼女のいつも語るような不可思議な体験談を考えれば危ない橋に違いありませんでしたが、知らず知らずのうちに彼女の世界に引き込まれていたようで、僕は思わず頷いてしまいました。好奇心が僕の後頭部をゆっくりと落としたのです。先輩は僕の返事を見てにっこり笑うと、予め用意していたのだろう二枚の紙を机の上に広げて見せました。一枚目は業務内容が羅列されている説明用書類で、二枚目は誓約書でした。先輩は僕に説明用書類の文字を指でなぞりながら、やることについて説明を始めました。いつも武勇伝を語る時とは異なった、起伏の少ない事務的な口調で。
業務自体は簡単なものです。支給された端末で指定のURLを開き、最後までスクロールしたら専用のフォームにチェックするだけ。これだけで日給13000円という怪しい単発のアルバイトでしたが、先輩はこれを何度か経験しているらしく、今回また募集が来たために僕を誘ったのだそうです。先輩が言うにはこのバイトの募集は不定期である上に募集人数も少なく、そのため募集のメールが先輩の元に届くこと自体があまり多くないらしく、次いつ募集がされるのか、そもそも次があるのかも分からないのだと言うのです。その事実は僕の好奇心を焦燥感に変貌させ、僕の舌を勝手に動かしてしまいました。僕の承諾を聞いた先輩は嬉しそうにしながらボールペンの頭を一度ノックして、それを誓約書の上に置きました。誓約書を流し見した後そのまま目を記名欄に移そうとして、僕は一つだけおかしな文章を見つけてしまいました。
「この業務において、深く知ろうとする必要はありません。」
変な文章だとは思いました。今、何か踏み込んではならない暗闇に僕は足を踏み入れようとしているのではないかとも思いました。でも、僕は手を止めることはできませんでした。気が付けば、僕の署名がされた誓約書は先輩の鞄の中にしまわれていました。先輩は僕に感謝を述べ、スマートフォンを渡し、それから明後日の夜、この端末にメールが届くことを伝えた後帰ってしまいました。心に後悔と好奇心を残したまま、僕は暗闇に続く一方通行の一本道に佇んでいたのです。
当日の朝、端末にメールが届きました。
「本日はご協力ありがとうございます。以下のマニュアルをご確認ください。」
本部と書かれた宛先から来たメッセージの下には長いURLが掲載されていて、それをタップすれば一度標準ブラウザを経由してPDFファイルがダウンロードされます。僕がそれを開こうとしたタイミングで、先輩から電話がかかってきました。応答すれば、いつも通りの声が聞こえてきます。どうやら先輩は僕と通話しながら業務を行なおうと考えているらしく、マニュアルを見ずとも代わりにやり方を教えると申し出てくれました僕は有難くその恩恵にあずかることにしました。先輩の指示通り、始めにPDFファイルの巻末にあるURLから専用のアプリケーションをインストールします。そうすれば無機質なメインメニューが表示されるので、右上のログインページをタップし、メールに記載されたIDとパスワードを入力します。あとは、メインメニューに表示された「調査対象ページ一覧」をタップすれば準備完了です。早速、僕と先輩は先頭のURL、No.1をタップしました。
No.1「単調なリズム」というページは、バックにメトロノームの音が流れ続けるテキストだけのサイトでした。「タン、タン、タン」という擬音語だけがページの端から端まで延々と続いており、サイトの内容以外には特に違和感はありませんでした。2分ほどスクロールを続けて一番下で画面が止まりましたが、そこで何かが起こるわけでもなく、僕は先輩に言われた通りアプリケーションに戻ってURLの左に置かれたチェックボックスをタップしました。いつも先輩が話していたような恐るべきものを警戒していたので僕は拍子抜けしてしまいましたが、先輩が言うには、この「調査対象ページ一覧」は下に行けば行くほど人間の認識能力を侵食するような情報がある確率が上がるというのです。僕は意を決して次のURLを開きました。
No.2「逆の巣」、No.3「転がる」、No.4「11,11,12」、No.5「蜜柑のアルベドを再利用する」。それから暫くはURLを押すたびに、最初の「単調なリズム」と同じような作成理由の分からない、テキストと背景だけで構成された変なページが続きました。段々と警戒心も薄れ、代わりに感情の表面に好奇心が浮き始めてきた頃、初めてそこに画像が現れるようになりました。No.6「マイナー手相教室Part.2」です。誰かの右手に、後からペイントツールで線を加えた画像の下に、その手相の説明が1行あるというレイアウトが8つ続くだけの一見なんともないようなページでした。僕は通話中の先輩に、このページには違和感も異常性も全く見当たらないことを告げると、先輩は少し黙った後にもっと細かく観察するべきだと言いました。僕は言われた通りに細かく確認しましたがそれでも見つからなかったので、気にせず次の項目へと移りました。No.7「枕が硬かったので中を見てみる」、No.8「サイクリング右」、No.9「抗鬱備忘録」、No.10「架空似顔絵23」。今までと同じ変なページに、今度は変な画像が増え始めました。妙に画質の荒かったり、ピンボケしていたり、ぶれていたりと、まともに撮影された画像は多くありませんでしたが、それでも特に違和感はなく、どのサイトも少し前のインターネットならば他サイトと大差ないようなよくありそうなものばかりでした。僕はすっかり気が抜けて、先輩と雑談を交わしながらそれをこなしていました。先輩が急に黙り込んでしまった時もありましたが、それを抜きにすれば僕たちは電話越しに日常を送っていたのです。No.11「坊や辞典メニュー」、No.12「メモ114」、No.13「BECフェス39 振り返り」。単純作業のようにそのままの流れで開いたNo.14を、僕は理解できませんでした。
いえ、本当は知っていましたし、理解も出来ました。ただしたくなかっただけなのです。No.14「かたうで」、その名の通りでした。誰かの右か左、どちらかの千切れた片腕が収められた写真が延々と続いていたのです。その写真の上にはいったい誰の、いつの、何のために切られた腕なのかという補足説明が加えられており、それは否が応でも僕が如何に愚かで危機感の無い人間であるかを自らに想像させるのです。数十分前のことでしたから見覚えがありました。No.6「マイナー手相教室Part.2」、それと全く同じ構成であるが故にその裏側に隠れた共通する物語への気付きが僕の背筋を冷たく引っ掻きました。そこに広がる惨状を、ヒトの欠如した倫理観の穴を、僕は気付くことが出来なかったのです。僕がその衝撃と恐怖で思わず言葉を失うと、先輩はそれに気付いたようで、ゆっくりと言い聞かせるように呟きました。
「真に恐るべき悪夢は、日常の裏に身を隠すんだよ」
こうした事象に向き合う者ならば忘れてはならないその訓を、僕はその時初めて痛感しました。
僕は先輩にボタンを押すべきか尋ねましたが、先輩は迷わずに押すべきだと答えました。ボタンを押す条件はただ一つ、読み終わることだけなのです。僕は動揺して逃げ出したい心を抑え、最後までスクロールしました。結果的には何も起こりませんでしたが、次のURLを確認することを一瞬でも僕に躊躇わせるには十分でした。それでも、僕はURLを押しました。No.15「虫義」は日本に伝わる蟻に纏わる伝承をまとめたページでした。ページを下る毎に壁紙の蟻柄が増えていき、一番下につくころには背景が真っ黒になるというギミックがある以外には何も異常はなく、僕の臆病な予測とは裏腹に無事に最後までページをスクロールすることが出来ました。続くNo.17「欠伸カウンター」、No.18「治田」も同様におかしな点は見当たりませんでしたが、それがかえって僕に更なる緊張をもたらしました。まるでジャンプスケアのある映画の、音楽が止まる数秒を怯えて見守っているような、来たる知覚の衝撃に備えて防御態勢をとっているような、そんな逃れようのない悪夢の待ち時間のように感じたのです。段々と僕が次のページを確認する頻度が遅くなっていることに先輩は気づいたのでしょう、つい黙ってしまう僕を安心させるためにいつも通りのテンションで雑談を再開してくれました。僕は先輩の助けを借りながらなんとか日常を繕って自身を落ち着かせながら続く地獄への道を再び歩み始めました。
もはや半ば放心状態でも必死にその情報を理解しながら、半ば同時にそれをすべてとりとめのないデータに過ぎないと理解しながら、僕は完全にロウで固められたようにうごかなくなってしまった指をひんやりとして堅い液晶画面に押し付けて、指腹の肉を削るように表示されるサイトの上で引きずり続けました。No.19「躍動する家」、No.20「澄ました顔でやりました」、No.21「半島祭り」、No.22「Aethonhee」。20番台を超えようというところから、やはり不穏な内容のページが増えてきます。オカルト系雑誌の記者の体験談や、殺人者の独白、伝承や因習など、ありがちな怪奇小説のネタのようなものばかりですが、どれも創作では再現しようのない緊張感や死の気配が文章の節々から感じられ、これらをありきたりと一蹴してはならないように感じられました。この地球という惑星には、未だ人の至っていない、至ってはならない何かが潜んでいるのかもしれない、僕がそんな夢見がちな悲観主義者の主張を支持してしまいそうになっている時、先輩との会話にガタが来ました。僕と先輩の会話に理解のラグが生まれ、まるで一度別言語への翻訳が行われているような綻びが、伝達役の三人目がいるような静寂が明確に表れ始めたのです。
彼女の明らかな動揺でした。返答中の突然の無言、チック、悪魔じみた含み笑い、複雑で不快な鼻歌、その様はまるで人間が日常を送る為に無意識に作り上げているマインドマップが狂い始めたかのようです。人間が知能と理性によってそれを理解しようと嚙み砕くには、前例や常識の外にありすぎたのでしょう。机をたたき、遠くで窓ガラスが割れ、何かが引き裂かれる、電話の向こうで文明を忘れた動物が暴れているようなノイズが、先輩の言葉の代わりに何度も聞こえてきました。それから130秒間の引き笑いの後、電話越しの世界の一切が聞こえなくなりました。警察に通報しようと思いましたが、僕は先輩の住所を知りません。警察にはどういえば良いのでしょうか、怪しいバイトをしていたら発狂したと正直に言っても良いのでしょうか。僕の破滅願望じみた本能がもっと深く落ちろと捲し立て、僕は警察に通報することもせずに先輩との通話を繋げたまま、それを続けることにしました。それが僕のとっては最善だったのです。無言の先輩と空ろに雑談を交わしながら、僕は自分の首を絞める気持ちで業務を再開しました。
No.23「バルコニー暮らし」、No,24「コラージュ」。何かの内臓、肉片、澱んだ液体が写真に載り、その時に起こってしまった凄惨な事件の全ての音と匂いが文章の隅々で描写され、僕はそこにいました。両手は赤く血濡れて、息を切らして、足元に広がる崩れた肉を見下ろして、僕はそこで立ち尽くしていたのです。そして、にちゃりと音を立てて赤色の糸を引く自分の足を持ち上げて、そのどろどろに溶けかけたそれにたたきつけようとしたその瞬間、僕はそのサイトの最後の文章を読んでいました。既に狂気へ陥る道の中心で、それでも僕は最後まで読み切ったのです。この辺りのナンバーにもはやまともなサイトは無く、千切れて解れそうになっている僕の自己認識と正気に確かなダメージを与えてきます。けれど、僕はこれが他人事なのだと知っていました。僕には細く頑丈な恐怖という一本の糸が複雑に絡まり、しかし確かに僕を辛うじて現実へ引き戻してくれるのです。僕は理解できぬ焦燥感に煽られて、次の文章に縋りつきました。そしてその度に、自分の体、自己認識が崩壊してゆくのです。No.25「流線型眼球」。眼球が横転し、現実と空虚の水面に浮かびます。No.26「松葉杖ポイント理論とは」。ジェル状の半透明な自我に、金属製の冷たい針が刺さります。No.27「ようちゃんのゲーム攻略 その38」。顔面を仮面のように剥ぎ取ろうと見えない虫達が輪郭に群がります。No.28「鰐とねこぐまさん事件」。
僕はプールにいました、教室にいました、洞窟にいました、地下室に、浜辺に、トンネルに、牢に。僕は多面的な水晶体に浮かぶ複眼から、あらゆるシーンを覗いていました。瞬きの度に切り替わる数多の悲劇の傍観者となっていたのです。自分が壊れていくのを感じながら、今まさにここは狂気の沙汰だ、そう僕は思っていました。もはや全ての嫌厭すべき雑駁に浸されて溶けた僕にこれ以上失われ得るものは無いと、そう思っていました。ですがまだ僕は持っていたのです。僕が人という知的生命体の一種である限り、考える葦である限り、状況を噛み砕いて理解できずとも、僕がそれの行使を望まずとも、反射的に全てを分析して定義付けようと努力を厭わない「他人事」の思考フィルターが、まだ僕を救おうとするのです。
そして人が壊れる時とは、それが割れる時なのです。
気がつけば、残すところあと2つでした。自分がいまやっていることがどれだけ危険で、そうと分かっていながら進むことがどれだけ愚かな行為なのか、分かり切っていることを何度も僕の理性が訴えます。ですが、既に身体の操作が効かない程にまで僕の本能は暴走し、迫る原始レベルの根源的恐怖の実感から逃れるように僕は底へ底へと進み続けるのです。そこが行き止まりであると知るには、少し遅すぎたのです。
No.29「赤い沼」。それは、なにもない真っ白なサイトでした。やっと見つけた安寧に、僕は安心してゆっくりとスクロールしました。恐らく最後に残されたNo.30はこれまでと比べ物にならないような、煮詰められた人間の悪意が溜ったようなものであることは容易に想像がつきました。だから僕は、この僅かな時間に少しでも精神の自己回復に努めようとしたのです。少しずつ、なるべく休憩時間を稼ごうとゆっくりと白紙のページを下っていきます。画面端に表示されるページのスクロールを眺めて、何事もなくページの半分を超え、それからあと画面一枚分というところで僕は、ふと指を止めました。そしてそれが見えた時、自分が戦略的に行っていた時間稼ぎによる休憩が全て無意識に行っていた来たる知覚の衝撃に備えた防御態勢であることを自覚したのです。しかし、既に遅かったのです。
一枚の画像でした。真っ暗な森の中、中心にぽっかりと浮かび上がる赤の正体は何かがずっしりと溜り、風で微かに揺れ動く「赤い沼」がそこにあったのです。脳内で響くのは喚き叫んで全てを拒む理性の悲鳴と、恐怖と好奇心に引き裂かれて有象無象をまき散らす本能の怒り、そして静かな風に揺れる木々のさざめきでした。そしてその黝ずんだ赤色に、僕は幾千人の末路を見たのです。腕、脚、頭、臓器が解けて混ざり合い滑らかに融和して。
まだ生きている。
いやだ、いやだ。僕はそう呟きました。確かにその瞬間、そう呟いたに違いないのです。全身にあらゆる方向から圧力がかかって四肢が針金のように縮こまってしまい、そのせいで僕の首は新緑の天井を向けるしかありませんでした。いえ、そんな筈はありませんでしたが、そう感じられたのは確かなのです。何故なら僕は実際に、そこへ引き摺り込む腐敗した亡者が足を掴む感触も、僕の周りを取り囲む数多の子供や玩具も、そして赤い魚の視線も、諦観した本能が理解したのを知っているからです。もしも僕の脊髄に、赤い沼を流し込んだらどうなるのですか?その一枚の写真を構成するpxの全てが僕の眼球に張り付き、耳鼻に流れ込んだような気がしました。或いは、底に僕がいました。頭蓋と脳の隙間を埋める赤い泥が波打って頭を歪め、その度に水面が幾人もの腕によって揺らめくのです。
そしてこの時初めて、このアルバイトの意義を、ボタンを押さない理由を知ったのです。人間という種の矛盾認識の収容量を超えたミームは、その知覚を飲み込んで更に大きな情報の毒となります。その為に人々は周知されるべきでない人理の外にあるデブリを隠蔽し、理解されぬように分解するのですが、それでもその超思考的概念は人の表現活動を通じてコミュニティの下に根を張るのです。だから彼らはこうして好奇心の猫を集めて、感染した創造を調査させるのでしょう。「真に恐るべき悪夢は、日常の裏に身を隠す」。先輩が言っていたことの真意をようやく僕は理解し、そして僕は既に遠い過去となったあの親しい声を求めて今更ながら何度も呼びかけました。置いていかないで、置いていかないで、置いていかないで。
僕が目を覚ましたのは、それから4時間後の深夜2時でした。端末のフォームはとうに封鎖され、先輩と僕を繋ぐスマートフォンは電池切れを起こしていました。次の日、僕は先輩が亡くなったことを知りました。自宅から車で2時間半の所にある小さな小川で、頭を鋸で切ろうとしたままの状態で見つかったそうです。その電話を聞いて、僕は先輩に称賛を送りたくなりました。彼女は、自らに根付いた認知の悪魔を解き放たぬように自らの脳を破壊して死んだのです。誰にも知られぬように、感染せぬように、先輩は人から人へ長く伸びた根を断絶させてみせたのです。僕も先輩を見習って、悪魔に蝕まれた知識を破壊しなければなりません。脳を確実に傷つけられる手段で、僕は死のうと思います。ですがその前に一つだけ、やらなければならないことがあると気づいたのです。あれから何年もたった今でも、僕はまだそれを成せていません。あの「赤い沼」が見つからないのです。
あそこは、僕の死に場所なのです。
変病 手帳溶解 @tatarimizu
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