スペアリブ

ーーー「憎い」

20cm四方の、水垢まみれの壁に貼られた鏡の中。
この四方の中だけで、ここ一体の街の治安が悪化してしまうほど、それに写るは殺意を持った黒く開ききった瞳孔。
黒曜石とは、まさにこのような"様"が結晶になったのではないかと疑うほどの切れ目。
そんな男の主人公は東京を住処に、危うくも静かに息を潜めて暮らしていた。
1Kの賃貸アパート部屋の中、世界の全てを呪い、憂い、呆れ、無気力になってはどこからか溢れる真っ黒な野望。そんなことを繰り返し最後は「何も成し遂げずに生涯を終えるのだ。」そう思いながら静かに目を閉じる。

ーある時から現れた"未来から来た"という気味の悪い痩けた少女と共に、人生…否、世界の行き着く最後までを記した話。


転じて主人公たちはラプラスの悪魔を名乗る怪物に出会…続きを読む