復讐の炎を抱いた先に何がある?

これは、復讐の物語。
かつてチェコの片隅で起きた、とある異国の女優の死。決して表に出ず、誰にも知られることのなかったこの悲劇と彼女の無念は、時を経て一人の青年が知ったことにより動き出します。

しかし、復讐を違う青年ラナンの前に立ち塞がるのは、あまりに大きな壁。彼が復讐しようとしている相手は、とんでもない者たちだったのです。

復讐と聞くと、善か悪かで語られることが多く、その答えを出すのは難しい。
ですが例え悪であっても、心に業火が灯った以上、止まることはできないのかもしれません。

あまりに大きく強大な敵を前に、ラナンの復讐の炎はどこまで燃え続けることができるのか。彼の握った刃は届くのか。
そして、復讐という凶行に走った彼に、未来はあるのか。

様々な困難に直面しながらそれでも進んでいくラナンがどこにたどり着くのか、読んでいてとてもハラハラし、最後まで緊張感のある一作でした。

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