同じ話を聞いて、
笑う人と、悲しむ人と、怒る人がいるだろう
感じ方はそれぞれの主観
それは間違いないことだ
この物語は、
まさに主観を揺さぶり、一人一人に問いかける
その王道、ど真ん中を貫いているといっていいかもしれない
斯く云う、私の感じたことは──
懐かしい共感
きっと、主人公が欲しかったのは
労いでも、慰めでも、肯定でもない
誰かのせいにしなくて済む自分
彼の選択は、
これから全ての事象の裁可を
自分の物として受け取り、降りかかることの
始まりのきっかけとなるだろう
でも、きっと大丈夫
その痛み苦しみは、自分が選び取った
「初めて」の選択なのだから