究極の感覚怪談、四つ。

この物語は、必ず四つ。
それ以上でも以下でも作法に反する。
 ひとの持つ感覚と怪異とは表裏一体。
感覚が無ければ怪異は生まれず、また
怪異は感覚に依って顕現する。

 凶事の跡を異臭として感じる嗅覚
  悪意と怪異の会話を聞き分ける聴覚
   人が抱く怨恨が肌に纏わりつく触覚
    背後に幻視される者を葬る視覚

どれもゾクリとさせられる、恐ろしくも
逃げ場のない怪談揃い。様々な感覚を
有する 人 であるがゆえ。

それも亦、恐ろしき哉。