アイテム欄がたくさんあいている魔法使いは、皆のアイテム持ち?サプライズだぜ~!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 あるある魔法使いの、悲劇?アイテム欄がたくさんあいている仲間に、パーティーの皆さんがサプライズだぜ~!

この冒険者パーティーは、計5人。

その中の1人、「サプライズ好き」の魔法使い君が、損な役どころ。

「俺さー。皆のアイテム持ちばかりさせられてさー。正直、いやなんですけど」

だろうな。

魔法使いって、こんなあるある言葉をかけられがちだし。

「魔法使い君?アイテム、持ってくれないかなぁ?」

「たのむよー」

「良いじゃないか」

「俺らのように、重い剣とかよろい、たてを持って動いているわけじゃないんだし」

「身軽でしょ?」

「アイテム欄、いっぱいあいているんでしょ?」

言われる、言われる。

力のない魔法使いは、気の毒だ。

そこで、パーティーの他のメンバーたちが反省して、サプライズ好きな魔法使い君に何かしてあげようと考えた。

「なあ、魔法使い君?今日は、これを持ってくれよ」

戦士とシーフ(盗賊)、雑誌編集者にゲームプログラマーの4人が、悲しそうな顔の魔法使い君に白い小包を渡す。

まったく、危険を感じさせない箱だ。

「あ…。これくらいなら、良いですよ」

その通りに、今回渡された箱は、大した量でも重さでもない。

「魔法使い君?次にいく予定の町まで、運んでほしいんだ。町に着いたら、中身を見て良いからね」

「…わかりました」

「いつも、悪いね」

「仕方ありませんよ。アイテム欄たくさんあいているのは、こちらだけでしょうし」

それにしても、中身が気になる。

なぜ、中に何が入っているのかだれも教えてくれなかったんだ?

とはいえ、さすがに、こんなことは考えられず。

「だれも見ていないときに、1人でこっそりと見てしまおう」

無理。

魔法使い君は、真面目なやつだったからね。

「何が、入っているんだろ?不気味」

箱の中からは、時間がたつほど、甘ったるいようなすっぱいようなにおいがただよってくる。

気になるよな~。

そんなこんなで、次の町に到着。

「さあ、中身は何だ!」

勢い良く、袋を開ける!

「魔法使いおおおお!」

何、言ってるの?

中に入っていたのは、誕生日用のケーキ。

「キター!」

サプライズ好きな、喜びよう。

仲間たちは、次の町に着くころに魔法使い君の誕生日がくることを、計算していたんだろう。

「いただきま~す!…ぐえ」

魔法使い君、腹を下して病院いき。

異世界の、いじめじゃね?


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