２０５４　君らのジャパンありしか？

　ディストピアを描く叙事詩短歌参上つかまる。

　近松門左衛門の「冥途の飛脚」・「曽根崎心中」を念頭に置き、年金制度が崩壊したアルゼンチンやウルグアイで都市ゲリラが跋扈した歴史的事実を踏まえて。
　
　２０５４年　重苦しい暗雲が立ち込める日本にずどーんと衝撃が走る。
　年金崩壊の大音響。母親はショックで死去。国ガチャを嘆く人は、政府が奨励する多幸薬を飲み幸せに死に、怒る人は年金事務所に火をつけた。結社が芽吹き、テロが始まる。ロボットの公安刑事が爆破される。

　我の日常は介護士で　粒粒のお金を貯めて　河川敷にあるヨシ原の人間専科に行くのだけが楽しみ。当時風俗もロボ専、混合専、人間専科と別れていた。そこで出会ったのが元歌手の夜の貴婦人（注）。ミュージカル歌手だが歌の内容がとがめられ、生活の糧の…続きを読む