彼岸花に象徴される異形の存在との遭遇。

本作品は、主人公の視点から淡々と語られるが、不気味な伏線が随所に張られ、読み手を緊張させる。

特に、サキちゃんの変化した左手の描写は、想像力をかきたてるほどに生々しく、恐怖を煽る。

サキちゃんがその後どうなったのか、彼岸花と墓の正体は何なのかが最後まで明かされず、読後に余韻と想像の余地を残す。

日常の中に忍び寄る異形の恐怖を味わうことができる作品だ。

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