突き抜けて天壤の赫、 曼珠沙華

禁忌というには漠然としていた。だから
彼女は、空き地に向かったのだろう。
その光景は、見た事を後悔する程に 歪。
無縁の墓所には、

     赫い 曼珠沙華 が一輪。


曼珠沙華はには毒がある。
幼い日の 悲しき思い出 は、悪夢の如く
五つの蕾は何れ花房を開く事を心待ちに
醜怪な華頭を擡げる。

天壤に赫。

      開いて嗤う曼珠沙華。

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