第11話

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ゴブリンシャーマンLv1→Lv2

推定危険度:⭐︎4


能力値一覧

生命力:263→296

精神力:366→408

攻撃性能:358→400

防御性能:240→268

俊敏性能:237→266


アクティブスキル一覧

『繁殖Lv4』

『アナライズ』

『怨嗟ノ呪Lv1』

『支配ノ呪Lv1』

『魅了ノ呪Lv1→Lv2』

『闇魔法Lv1→Lv2』

暗黒刃習得


パッシブスキル一覧

『悪食Lv3』

『雌特攻Lv1』

『ゴブリン特攻Lv5』

『簒奪Lv2』

『呪詛適正中』

『奈落ノ底』

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大柄ゴブリン戦で進化したばかりなのにもうレベルが上がったのか。あれ以降に倒したのはモンスターですらない野生の鹿と、ミレイにケビンの2人だけだぞ。


進化するとレベル1に戻るとはいえ、上位種はそれだけ必要経験値が増えるはずだ。なのに人間を2人殺しただけでレベルアップ出来るって事は、もしかして人間の経験値効率はかなり高いんじゃないか?ミレイとケビンは駆け出し冒険者らしくレベルも低かったのに。


それが事実なら、奴ら人間は数が多くて経験値も美味しいボーナスキャラじゃないか。もう少し強くなったら、小さな村でも襲って大量の経験値と怨念を献上して貰おう。


能力値も上昇しているが、レベル上昇による能力値増加量と『簒奪』で奪った能力値の割合がどれ位か分からないな。これは次に殺す敵のステータスを確認しておいて、終わったら今のステータスと見比べればいいか。


スキルは『魅了ノ呪』『闇魔法』がそれぞれ1レベル上がったか。『魅了ノ呪』と『闇魔法』は他のスキルより多く使ったからレベルも上がるのが早いんだとしたら、人間をスキルで甚振り続ければ簡単にレベリング出来るんじゃないか?


『闇魔法』がレベル2で止まってるから、大柄ゴブリンの時の様に死体撃ちでは経験値が入手出来ないんだろう。もし入手出来るならもっとレベルが上がっているはずだ。なにせ一欠片も残る事無く消し飛ばすのに精神力が枯渇寸前になるまで撃ったからな。


『闇魔法』はレベル2で『暗黒刃』を習得か。さっきミレイの首を落とす為には『暗黒矢』で無理矢理引き千切ったから、切断系統のスキルが使える様になったのは大きい。


実験として重なっている2人の死体に対して使ってみるか。


「『暗黒刃』」


スキル名を唱えると、杖の先端に付いている山羊の頭蓋骨の口部分から、鎌の様に湾曲した漆黒の刃が出現した。片腕だと威力を出し難い為、杖を両手に持ち直して上段から思い切り振り下ろすと、刃はミレイとケビンの身体を抵抗なく、すり抜ける様に切り裂いて真っ二つにした。


刃の形状的に地面に隣接している物を上から切るのは向かないと思ったが、それも杞憂で地面に刃先が触れてもそのままスッと入り込んで簡単に振り抜けた。仮にめり込んで動かせなくなっても、『暗黒刃』を消せば問題ない。


斬れ味は抜群だし鎌は浪漫溢れる武器だが、本来の用途は草刈りなどだ。戦闘で使うとなると実用的とは言い難い。従来の鎌とは違い、杖にスキルで刃を生成しているから正確には違うが、それでも取り回しが悪い。


俺の基本戦術は姿を隠して一方的に『暗黒矢』で狙撃したり、呪詛スキルで敵を翻弄する後衛スタイルだ。現状、近接戦闘は殆どやるつもりは無いが、相手が間合いを詰めてきた時の自衛手段や、拷問したりする時に使用するのが主な使い方になるだろう。


取り敢えずスキル確認はこんな所か。洞窟内だと正確な時間が分からないが、体感ではまだ昼頃のはず。このままミレイとケビンで腹を満たしてから、もう何回か獲物を探してレベリングと洒落込むか。


食べやすい様に『暗黒刃』でミレイの四肢を切り取り、ケビンの胸から腹まで切れ込みを入れ、腹を開き中身を良く掻き混ぜる。そこに、切り取ったミレイの腕の切断面を入れて軽く振る。これでミレイ肉をケビン出汁で頂くしゃぶしゃぶの完成だ。


最後は2人の関係が悪化してたから、せめて俺の腹の中では仲良く出来るといいな。


鮮度が落ちないうちに早速頂くとしよう。ケビン出汁が滴る美味そうなミレイ肉に齧り付くと、最初に女特有の柔らかい肉の食感が有り、その後一般人よりも鍛えられているだろう筋肉の歯ごたえが合わさって非常に満足感のある食べ応えになっている。出汁も昔馴染みのケビンから作ったからか、肉との相性も非常に良い。


二人前以上あるから食べきれるか分からなかったが、朝食の鹿を食べてから時間が経っていたのと、ミレイとケビンを捕獲してから色々遊んでカロリーを消費していたから難なく食べきれた。


俺はレベルアップと食後の満足感に浸りながら次なる獲物を求めて洞窟の外に歩き出した。



――――――――――



入口からほんの少し離れた場所に、何か生き物の気配と音を感じる。いつも通り姿を隠して不意打ちをしようと樹の影に隠れて姿を伺うと、そいつは今まで出会ったことないモンスターだった。


出会うのは初めてだが、俺はこいつを知っている。ファンタジー世界で人型の人間凌辱代表モンスターとしてゴブリンと人気を二分しているオークだ。知識としては当然知っているが、実際に二足歩行で緑色の肌をした大型の豚を見ると想像以上に迫力があるな。目算だが身長は2メートルを優に超えている。


腹回りは脂肪に塗れて一見だらしない身体に見えるが、その脂肪の下には鍛えられた筋肉がみっちり詰まっている。その胴体部分には肉鎧のつもりなのか、人間の女が全裸でオークに背中を向けて両腕を首の後ろに回し、両脚も腰に絡ませた無理な態勢で太い蔓を使って巻き付けられていた。


女はオークのイライラ処理も兼ねているのか、腹の部分が不自然にボテッと膨らんでおり、その膨れた腹をまるで楽器を演奏するかの様に上機嫌で両手で交互に叩いている。


巫山戯るな人間は全員俺の玩具だぞ。お前みたいな薄汚い豚が楽しそうに遊んでるのは実に不愉快だ。地獄を見せてやる。


最初に『アナライズ』でステータスを確認して、その後に人間の女に対して呪詛スキルを連発し、呪殺する事でスキルのレベリングをする。肉鎧としての機能を停止出来る訳では無いが、嫌がらせにはなるだろう。


その後にオークはスキルをフル活用して惨たらしく殺す作戦でいくか。


さあ、俺の玩具に手を出したのを後悔しながら死んでくれよ?お前に生きている価値は無いんだからな。


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転生ゴブリンは気の向くままに世界を掻き回す 怒米 @heki-ta

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