祈りは愛しい貴女へと

　文章が美しい。これから暮れゆく夕闇のような希望なき世界の中を二人の少女が懸命に生きようとしているのが良い。
　詳細は省くのでこの作品を読んでほしいのだが、絶望的な世界観を突きつけられる具体的で美しくもグロテスクな場面もあり、とても良かった。白いリボンの描写が特に好きです。
　衰退した世界の中を生きようとするミユイとロスミークの、二つの命の瞬きを、どうか読んでほしい。

みんな大好き（？）、ポストアポカリプスもの。

「Falloutシリーズ」
「The Last of Us」
「86-エイティシックス-」

…このあたりのゲームやアニメ、小説が好きな方はかなり刺さる短編だと思います。

おぞましい敵に追い詰められた際の、登場キャラクター（女の子）たちの反応。
終末世界と言えばこれ！　な、廃墟の探索。
そして「蟲」どもとの、絶望的としか言いようのない戦闘シーン。

短編でありながら、そのどれもがリアルに描写されていて、とても楽しく読めました。

特に、「蟲に追い詰められた際のキャラの反応」はかなりクるものあって、読んでるこっちが胸を抉られた気分になります；；…続きを読む