見世物じゃないぞ! 魅せ物だ! ……なんて言えたら格好良いのだろうか。

 偶然にも見返した、偶然にも発見した意味の分からないページ。偶々と偶然で、「偶」の字が重なることに、何らかの法則性や規則性を見出そうとするのは、数字をいくつか提示された際に、瞬時のその数字の平均を求めるという、ある意味人間の本能のようにも思われるのだけれど。しかし、どう考えてもこんな堂々巡りのような意味の分からない言葉をいつまでもつらつら書き連ねていても、一向に前には進めないだろう。進んでいるのは、こうしてカタカタとタイプすることによって、塗りつぶされる白い背景だけだ。そもそもその白い背景も塗りつぶせているとは言い難いけれど。
 さて、と。強引に無限ループから抜け出して、先に進もうじゃないか。……しかし暑いな。暑苦しいな。今これを書いているのは6月だが、それと同じ位にめちゃくちゃに暑い。めちゃくちゃといえば、このめちゃくちゃな状況も、あと一時間で終わらせる。
 部下の働きには目を見張るものがあるからな。そんな事情があっては、どうぞ休んでくれと大手を振って、見送ろうじゃないか。……と見栄を張ったのはいいものの、それが仇になってしまった。張っているのは目でもなく、見栄でもなく、腹だったのだ……。
 だってこんなことになるなんて一ミリも想像していなかったんだ。これを読んでいる諸君は「あぁ、ここから騒々しい言い訳タイムが始まるのね、ハイハイ」と冷めた目で読むのかもしれないが、ここまで読んだのならむしろ一度立ち止まって、深呼吸でもして改めて読み進めてほしい。損はさせない。絶対にだ。なぜなら、損をしているのは、こんな暑苦しい着ぐるみを着て、接客をしなければならなくなった私なのだから。皆の損も着ているのだ。
 厳密にいえば、これがシャチであろうが、ペンギンであろうがそんなことは些事に過ぎないのだ。匙は投げたくなるけれども。
 ペンギンなんて見たことはない。聞いたことくらいはあるが。見聞を広めるというけれど、「見」はもう叶わない。……なんて、現実逃避をしてどうにか理性を保っている現在である。先述した通り、シャチでもペンギンでも良いのだけど、どうしてもシャチとの違いを見出したがるのは、人の性か、はたまた職業病か。
 着水! なんてカッコよく言ったところで、ただ水に浸かっただけなのだけれど、それでもこの感覚は……実に良い。
 さて、ここまで散々、毒を吐き続けてきたわけだけれど。そろそろショーの時間だ。毒から薬になる時間だ。毒にも薬にもなれないなら、せめてただの水の中に浮かびながら、愛嬌だけでも振りまこうと思う。

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海獣の日々