誰もが夢見たテレパシーが遂に実現。
AIによる補正もあって、言葉のみならず、風景や音声をも「共有」が可能になったのだ。
認識できるもの全てをコミュニケーションの道具としたテレパシーに出来ないことはないと思われたのだが……
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コメディでありつつも、盲点が鮮やかな作品。
ただ、テレパシーがお役御免になるのか、というとそんなこともなく、きちんと「実現して欲しい」と感じる技術に描かれていた。
双方に敬意を払いつつ、綺麗に落としている点が素晴らしい。
余談ではあるが、テレパシーの背景がある程度しっかり描かれているため、読後ぼんやり夢想もしていた。
長距離恋愛でも同じ景色を眺められるのかとか、すれ違いも相当少なくなったりする? ……とか。
エモさの定義もテレパシーの前後で変わるのだろうなあ、と。