悪いことが起きると分かっているが故のストレス

「もしかしたら明日、仕事でとんでもないミスをするかもしれない…」そう考えながら眠る夜があります。もし明日起きることが分かっていれば、例えそれが悪いことだったとしても覚悟ができる、心構えができる…なんて妄想もしてしまいますが、本作を読んでその妄想は、仮に実現するできたとしても自分の救いにはならないような気がしました。

本作の主人公は、現実に起きることを予知夢として見てしまう。しかも夢で見た状況は避けようとしても決して避けられない。何が起きるか分かっているからこそ強いストレスを感じ、どんどん追い込まれていく主人公を自分と重ね合わせると、恐怖しかありませんでした…

「知らぬが仏」という言葉もあるように、明日が分からないからこそ救われている部分もある。そんな感覚にさせてくれる作品です。