ののちゃんの たいせつなもの【童話】

かごのぼっち

ののちゃんの たいせつなもの

ののはら ののか


それが


かのじょのなまえだ


みんな


ののちゃんって よんでる



ののちゃんには


たいせつなものが 


いつつある



ひとつめ


おおきなどんぐり


これはおとうさんと ふたりで


うらやまに いったとき


ひろったものだ


くぬぎ


っていうらしい


いがいがぼうしを かぶった


まんまる どんぐり


こなら


あべまき


しらかし


どんぐりは いろいろあるけど


ののちゃんの おきにいりは


くぬぎの どんぐり


まんまるが いいのだ



ふたつめ


おかあさんが くれた


えーだま


いろとりどりの びーだま


ののちゃんの たからものだった


あるひ


おかあさんが にっこりわらって


ののちゃん これあげる


といって くれたのが


えーだま


しゅわしゅわの なかの


きれいな まんまる


きらきら すきとおった


ガラスの えーだま


まんまるが いいのだ



みっつめ


じゃんがりあんはむすたー


はむすたーの ちっこいやつだ


ぷらすちっくの かごのなか


すみっこに みっつ


ふわふわの まんまる


てのひらにのせると


もふもふしてて あたたかい


なまえも ののちゃんがつけた


まんまる


ふわまる


もふまる


ののちゃんは なんだって


まんまるが いいのだ



よっつめ


きんぎょ


まんまる きんぎょばちに


ぴんぽんだまくらいの


まんまる きんぎょ


おとうさんと おかあさんと


さんにんでいった よみせ


たくさんの きんぎょのなかに


いくつかの まんまる


おとうさんが がんばった


ガラスのなかを ふりふりと


おしりをふって およいでいる


ののちゃんは


きんぎょだって


まんまるが いいのだ



いつつめ


かぞく


まんまるめがねの おとうさん


まんまるおなかの おかあさん


もうすぐ おとうとがうまれる


ののちゃんは おねえちゃんだ


おとうさんと おかあさんと


ののちゃんと まんまるちゃん


おとうさんと


おかあさんが


まんまるちゃんはやめようね? 


っていうの


なんでかな?


がぞくだって


まんまるがいいのにね?








    ─了─

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