生きようがない者の生きた証を語り部が伝える。


お国訛りで綴られた言葉が胸に染み入ります。
その地に根付いた言葉耳を傾けるうちに物語に臨場感が付加されていきます。
そして気がつけば、物語に没入するのです。

作中の喜助は行動しか描かれません。
なので真意も真実もわかりません。
だけど、読むものは喜助の行いが狂気ではないことを祈念することでしょう。

私もそうです。
なにより地蔵は子供を守る菩薩であるからです。

酷く、悲しく、やるせない。
そして胸に残る物語です。
多くの人に届くと良いと思う物語です。


その他のおすすめレビュー

木山喬鳥さんの他のおすすめレビュー335