黒狼の血

「こいつを殺した者を神候補として迎えてやる」
　
　殺されるために異世界に飛ばされた男がいた。その男は神候補選抜試験の標的として選ばれ、試験を受ける六人に殺されるために異世界に転移させられた。

「ふざけんな、冗談じゃない！」

　わけのわからない理不尽な理由で知らない世界に放り出され、いずれは殺されるという運命を背負わされた男は神を恨み、憎み、怒りに震え、神に対する復讐を誓った。

　神を殺す。男はそう願った。だが、それは不可能に近いように思えた。

　ならば、と男は決意した。

「あのクソ神の顔を一発ぶん殴ってやる」

　男はそう決意した。
　
　男の復讐が始まった。